ふたつの顔を持つ孤独なヒーロー
２００８年に韓国ＳＢＳで放送された、イ・ジュンギ主演版『イルジメ～一枝梅』をご紹介します！
※１９９３年のチャン・ドンゴン主演版「一枝梅」、２００９年のチョン・イル主演版「美賊イルジメ伝」ではありません。
放送第１話より同時間帯視聴率１位、最高視聴率は３１．４％を記録したフュージョン時代劇です。
放送開始後は歴史に興味を抱く小中学生が増加し、期末試験で「イルジメ」に関する出題を取り入れた学校もあるほどの社会現象に！
音楽は、映画「冷静と情熱のあいだ」やＮＨＫ大河ドラマ「篤姫」などで知られている日本の作曲家の吉俣良（よしまたりょう）が手掛けています。
世の不正を成敗する痛快劇に、笑いと涙を絶妙なバランスで織りこんで展開するストーリーに、きっと虜になるでしょう。
あらすじの後に予告編があるので、ぜひ見てみてください！見ればわかります！
※朝鮮王朝時代の身分制度をまとめた記事はこちら。
それでは最後までお付き合いください！
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【あらすじ】
権力を嫌い隠居生活を送っていたイ・ウォノが、謀反の罪を着せられ暗殺される。
それを戸棚に隠れて見ていたウォノの息子ギョムは、屋敷に忍び込んだ元コソ泥のセドルに助けられる。
その後、捕らえられ連行される母を見つけると同時に、謀反者ウォノの息子ではないかと疑われる。
母は涙を流しながら黙って首を振るばかり・・・バレればギョムも捕らえられてしまう。
親子ではないと証明するために石を投げるよう言われ・・・微笑む母に向かって投げた。
ショックで記憶を失ったギョムを、セドルの妻タンが連れ帰り、２人の息子ヨンとして育てることに。
１３年後、遊びほうけて暮らしていたヨンは、格闘賭博大会に出場し、殴られる度に幼い頃の記憶がよぎる。
やがてすべてを思い出し、記憶に残る父を斬った剣に刻まれていた文様を手がかりに＂仇＂を探す。
誰が父を死に追いやったのか？
生き別れた母と姉は、今どこに？
【みどころ】
一枝梅（イルジメ）と呼ばれる由縁
貧しい民から奪った財物を我が物にする悪徳役人から盗み取る、平民にとっての英雄。
現場に一枝の梅の絵を置き去ることから、＂一枝梅（イルジメ）＂と呼ばれています。
日本で言う石川五右衛門を想像してください。
本作のイルジメは、目の前で父を殺され、母と姉は官婢（かんぴ、国有の奴婢）に落とされ、記憶を失って育ち、学友にイジメられているという壮絶な生い立ち・・・
殴られながら悲惨な過去を思い出し、復讐の鬼と化します。
誰にも知られず、たったひとりで権力とたたかうイルジメをぜひ！ぜひ！見てほしいです！
豪華すぎるキャスト
主役のイ・ジュンギはもちろんのこと、「トンイ」や「春のワルツ」、映画「監視者たち」や「王になった男」で有名なヒロイン役ハン・ヒョジュ、目つき一つですべてを語るフェロモン俳優パク・シフは、知っている方も多いのではないでしょうか。主演映画「殺人の告白」は必見！
ヨンの義父セドル役のイ・ムンシク、ヨンの養母タン役キム・ソンリョンは、貧しくも楽しく深い愛情で結ばれた夫婦を見事に演じています。
もう一人のヒロインのポンスン役をイ・ヨンア、ポンスンの養父コンガル役をアン・ギルガン、冷徹な刺客サチョン役をキム・レハ、出来の悪い意地悪ボンボン息子シワン役をキム・ムヨルが演じ、みんな見ていて飽きないキャラクターでした。
ちなみにイ・ギョム少年とウンチェお嬢ちゃんを演じるのは、今や主役級に成長したヨ・ジングとキム・ユジョン。２人ともとっっっても可愛い！！「ファイ 悪魔に育てられた少年」ではヨ・ジング、「太陽を抱く月」「雲が描いた月明り」ではキム・ユジョンの成長した姿が見られます。
個人的に好きだったのはアン・ギルガン扮するコンガル！王の護衛をしていたとは思えないほどひょうきんなおっさんになっています。「善徳女王」とは正反対の役で圧巻の演技力！
あぁもう全員語りたい！！！！！
それぞれの愛
正体も知らぬイルジメを想うウンチェの愛、ポンスンの一途な愛、密かに見守るシフの愛、イルジメであるがゆえに想いを隠すヨンの愛など、たくさんの愛が描かれています。
その中でも最も心を締め付けられるのが、ヨンの義父セドル。
血の繋がらない息子ヨンや、自分に対して冷たい態度をとる妻タンに対する無償の愛は、心温まりながらも涙なしには見られません。
いち早くイルジメの正体に気付いたのもセドルでした。
疑いから確信に変わって取った行動とは・・・？
【主要人物（キャスト）】
ヨン／イ・ギョム／イルジメ（イ・ジュンギ／子役ヨ・ジング）
幼少時、父の暗殺現場を目撃し、母と姉は捕らえられ、ひとり逃げ延びたイ・ギョムは、その悲惨な衝撃から記憶喪失となり、別の人間ヨンとして育てられた。
１３年の時を経て過去の記憶を取り戻し、誰にも正体を明かさずに復讐のため孤独に闘う。
昼は陽気な青年ヨン、夜は父親の仇を探すべく貴族の家に忍び込む義賊イルジメに変身する。
ピョン・ウンチェ（ハン・ヒョジュ／子役キム・ユジョン）
聡明で美しく心優しい、両班ピョン家の娘。
父の旅館を手伝いながら、貧しく弱い立場の庶民を積極的に援助している。
初恋の少年ギョムを忘れられずにいたが、イルジメの活躍を知りその正義感に共感し、惹かれるようになる。
ピョン・シフ／チャドル（パク・シフ）
我が子チャドルの将来のために、母であるタンが使用人時代に主人ピョン・シクに襲われた事を利用し、チャドルがピョン・シクの子だと偽り、両班であるピョン家の子ピョン・シフとして暮らすようになる。
庶子（しょし、側室の子）のため家族から虐げられていて、認められるためにイルジメを追う。
想いを寄せる妹のウンチェがイルジメに惹かれていることを知って躍起になる。
実はヨンの異母兄。
【感想・評価】
オープニングから心を奪われます。映像にマッチした切ないサウンドが、最初から最後まで気持ちを盛り上げてくれました。
壮絶な復讐物語なのに、そうは感じさせないヨンとイルジメのギャップにキュンキュンしました。
メインから脇役まで含め、すべてが素晴らしかった！誰が良かったかなんて選べない、むしろ微妙だった人がいない！
この作品で、イ・ジュンギという俳優を知りましたが、今では彼が出る作品なら見るほどに！
イ・ジュンギこそ至高の『イルジメ～一枝梅』はオススメ度ＭＡＸ！！「★★★★★」
かなり古い作品ではありますが、韓国ドラマ好きには絶対に見てほしいです！
イ・ジュンギ好きな方には「麗～花萌ゆる8人の皇子たち～」もオススメ！
最後までお付き合いいただきありがとうございました！
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