少女は15年、殺人鬼を待ち続けた
2016年の韓国映画『少女は悪魔を待ちわびて』をご紹介します!
以前ご紹介した作品にも多数出演した、子役出身のシム・ウンギョン主演。父を殺した犯人の出所を待ち続けた娘役を熱演。そして15年服役した連続殺人鬼役に、「アジョシ」のキム・ソンオ。
父を殺した犯人に復讐する少女 vs 連続殺人鬼の7日間の追撃戦。15年待ち続けた末に、少女が決行した復讐とは…?
シム・ウンギョンの出演作品は、「春のワルツ」「ファン・ジニ」「太王四神記」など、日本のNHKでも放送されたものがたくさんあります!以前ご紹介した復讐劇「赤と黒」やイ・ビョンホン主演の「王になった男(映画)」にも!そちらもぜひご覧ください!
それでは最後までお付き合いください!
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『少女は悪魔を待ちわびて』のあらすじ
15年前の冬、韓国ソウル。警察官だったヒジュの父親が殺害され、犯人は連続殺人犯でした。7件の殺人を犯した犯人でしたが、証拠不十分により6件については無罪、1件の殺人容疑のみで15年間の服役に。ヒジュの父の殺人容疑は問われず…。
天涯孤独となった幼いヒジュは復讐を誓い、父の同僚たちの助けで警察署でアルバイトをしながらその時を待っていました。
そしてついに、犯人キム・ギボムが出所日を迎えますが、同じような連続殺人事件が発生。新たな真実が発覚し、父を殺した犯人の出所を待ち続けた少女は…。
みどころ
父を殺された少女
警察官で班長をしていたナム・イルヒは、妻が借金を残して蒸発し、娘ヒジュと2人で半地下のアパートで暮らしていました。しかしある日、仕事の途中で娘の朝食を作りに戻った班長は、タクシーに入れ替わりに乗り込んだ人物に首を刺され、何とか家までたどり着いて娘の寝顔を見ながら力尽きました。
15年後、ヒジュは明るく礼儀正しく成長し、警察署で清掃アルバイトをしていました。順調に出世した父の同僚たちは、ずっとヒジュを気にかけ、協力しながら助けてきたのです。
しかしヒジュは、父の殺人事件に関する捜査資料を読みこみ、暗殺術も勉強して身につけていました。犯人への復讐のために、ずっと準備していたのです。同時に、失踪した実母の居場所を知りながら会いには行かず、ずっと隠れて様子を見ているだけでした。
天涯孤独になってしまいましたが、父の同僚たちのおかげで何とか暮らしてこられたようです。でも無罪になっちゃったから、誰にも悟られないよう復讐心を持ち続けてきたんですね。復讐は何も生まないと言うけど、復讐したくなる気持ちもわかる…。
復讐の始まり
15年間待ちわびた犯人の出所。捜査資料をすべて読みこみ、暗殺術を身につけ、復讐の計画を立てていたヒジュ。
ヒジュの復讐とは、ギボムをもう一度刑務所送りにすること。その為に、ギボムのまわりで殺人事件を起こし、ギボムに罪を着せようとしていたのです。
しかしその計画を実行しようとした時、誰かがそれを代わりに実行。不思議に思ったヒジュですが、あることに気付きます。
”刺すのが好きなやつ”と”切るのが好きなやつ”、連続殺人犯は2人いたのです。それにいち早く気付いたヒジュは、すぐにチョン・ミンスにたどり着き、部屋で待ち伏せして殺害。その後ラップでぐるぐる巻きにして首輪をつけ、ギボムのベッドに寝かせておき、戻ったギボムに襲い掛かります。
復讐のために関係ない人を殺す計画って、いくら何でもダメでしょう…。実母の再婚相手はクズだったけど、他の方法があったはず。死ぬまでやっちゃダメ!
連続殺人犯は…
15年前、7件の殺人事件で起訴されたキム・ギボム。しかし連続殺人犯はもうひとりいました。それがチョン・ミンス。
2人は幼い頃、同じ養護施設で育った親友同士でした。協力して連続殺人を行っていた2人ですが、同じ女性を愛し、手に入れたのはギボムでした。その女性はチョン・ユンジョンという名で、2人と同じ養護施設にいました。
チョン・ユンジョンはギボムが捕まった事件の被害者です。7件のうちの唯一の有罪事件は、浮気した恋人ユンジョンを殺した罪だったのです。そしてそれを知ったミンスが、警察に密告してギボムは逮捕されたのでした。
ヒジュの父の部下だったデヨン班長とギボムの両方が、15年前の密告者がミンスだったことを知ります。デヨン班長はミンスとギボムに監視をつけ、ミンスを守るよう指示。ギボムはミンスに復讐を決意。
しかしミンスはヒジュに殺害され、ギボムも刺されて動けず、ヒジュは通報して一安心しますが…。
犯人が2人いたら証拠不十分にもなるでしょうね。でもあとの6件は全部ミンスだったってこと?それとも全部2人での犯行だったってこと?
残念なところ
相変わらず誰も救われないエンド。そして警察が無能だと思われるストーリー展開になってしまってましたね。偶然とはいえたった数日でもうひとり犯人がいることに気付き、その人物に近づくという、リアリティーとかけ離れたところ。
そしてヒジュの復讐が終わったときのギボムの心境が、よくわかりませんでした。薄気味悪い雰囲気がずっと出てたけど、その時は放心してたから、反省してるの?それともまた捕まるのが嫌なだけ?
それを見事に演じる主演のシム・ウンギョンと、この悪役のために16キロも減量したキム・ソンオがすごすぎて、結果、胸クソなのに面白かったんだけど!
もうひとりの殺人犯ミンスは少し影が薄かったかな…。ラップでミイラのイメージしかない。
主要人物(キャスト)
・ナム・ヒジュ(シム・ウンギョン)・・・5歳で父を亡くして天涯孤独に。警察署で清掃アルバイトをしながら生活。明るく笑顔を見せるが、心の奥底には復讐心を燃やしている。
・キム・ギボム(キム・サンオ)・・・連続殺人犯。浮気した恋人殺害容疑で逮捕後、15年服役。
・チョン・ミンス(オ・テギョン)・・・もうひとりの連続殺人犯。
・デヨン班長(ユン・ジェムン)・・・刑事班長。15年前はヒジュの父の部下だった。ギボムを有罪にするべく捜査を続けている。ヒジュを気にかけている。
感想・評価・レビュー
ヒジュが救われなさ過ぎて言葉が出ませんね。15年間、長かったでしょう。そしてたったの7日間で、たったひとりで、カタをつけたヒジュは、どんな気持ちで手を離したのでしょうか?まるで死刑台でしたね。
子役の頃の作品をいくつか見ましたが、立派な女優さんになりましたね。日本アカデミー賞最優秀賞受賞してますし、今後の活躍も期待!
不気味な悪役が定着したキム・ソンオも目がいいですね。すごく怖いけど、よくよく見ると綺麗な目をしてらっしゃいます。
連続殺人犯に人生を狂わされた少女のお話『少女は悪魔を待ちわびて』はオススメ度「★★★★」
次の作品をお探しの方は、実話シリーズ 「善惡の刃」へ!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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