人間の最大の謎は、男と女
2012年の映画『夢売るふたり』をご紹介します!
松たか子と阿部サダヲが夫婦役を演じ、参謀役の妻と実行役の夫で結婚詐欺を始めます。妻役の松たか子が日本アカデミー賞、ヨコハマ映画祭、高崎映画祭で主演女優賞を受賞し、騙される女性のひとりを演じた安藤玉恵も最優秀助演女優賞を受賞しています。
火事ですべてを失った夫婦が、再びお店を持つ資金のために、女性を騙す結婚詐欺に手を染める異色のラブストーリーです。
孤独で寂しさを感じている女性がたくさん出てきます。リアルかもしれない…。
それでは最後までお付き合いください!
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『夢売るふたり』のあらすじ
夫婦で小料理屋「いちざわ」を始めて5周年。小さいながらも常連客で賑わっていたある日、火事ですべてを失った市澤里子(さとこ)と貫也(かんや)。
里子はアルバイトで生活を支え、貫也は酒に溺れて浮気。しかしその浮気はすぐにバレ、里子は貫也に傷ついた女性の心の隙間につけこませてお金を騙し取る、結婚詐欺を思いつきます。
貫也がアルバイトする料亭の客から始まり、妻がいることも明かしていました。借用書も書き、倍にして返すつもりでした。
そうして手にしたお金で新しいお店を作り、またイチから始めようとする2人ですが…。
みどころ
火事ですべてを失った夫婦
10年前から必死に働き、小料理屋「いちざわ」を夫婦で営む市澤里子(さとこ)と貫也(かんや)。
その日は開店5周年で、いつも以上に常連客で賑わっていました。2人で切り盛りするには手が足りず、それでも注文が相次いで焼き鳥が焦げ、メニューの短冊に炎が燃え移り、慌てた貫也が揚げ物の鍋を落としてしまい、まさに火に油。
あっという間に火事になり、小さなお店は全焼。そしてその火事でケガをして入院することになった旧友に見舞金を支払い、貯金もなくなります。
2人は新しいお店を持つためにアルバイトを始めます。しかし貫也はこれまでのプライドからすぐに辞めてしまい、酒に溺れて里子に八つ当たり。それでも里子は生活のため、再出発のために頑張ります。
消火器は置いてなかったの…?とにかく命が助かって何より!
貞淑だった妻の本性
夫・貫也の浮気に気付いて怒りをあらわにした妻・里子。しかしそれがきっかけで、夫に女性の心の隙間につけこませてお金を騙し取る結婚詐欺を思いつきます。
アルバイト先の高級料亭の客から始まり、里子が婚活パーティーに忍び込んで見つけたウェイトリフティング選手の皆川ひとみ、貫也が偶然出会った風俗嬢のカンナこと紀代(のりよ)など。
時には里子がセリフを考えて、電話で貫也が泣き落とし、またある時は定番の”手術代”として大金を得ます。
それでも里子は「足りない」と言います。貫也は何が足りないのか気付いていました。里子が足りないのはお金ではなく、腹いせなのだと。結婚詐欺をしている今が1番いい顔をしていると、里子に言ってしまいます。
愛する夫が他の女性と関係を持つのは許せないんだね。自分がさせていることなのにね。
結婚詐欺計画のほころび
皆川ひとみが練習中にケガをしたと聞き、病院に駆け付けた貫也は、救急で運ばれた祖父を1人で待つ少年恵太が気にかかり遊び相手になります。
恵太の母は、ハローワークで「とまり庵」を紹介してもらった職員の滝子でした。シングルマザーで公務員、夫の生命保険があり、祖父も工場経営者の滝子を、貫也は次のターゲットにと考えます。
料理のために愛用の包丁を持ち出し、滝子の祖父の印刷工場で働き始め、夫婦の間に心の亀裂が生じます。貫也はお金のためでしたが、里子は貫也がいなくなってしまうのではないかと不安に。
その頃、貫也が最初に騙した咲月が、探偵を雇って貫也のことを調べていました。探偵の堂島とともに現れた咲月に、貫也は逃げ出そうとしますが、激昂した咲月が貫也に馬乗りになってビンタ。
堂島が制止して咲月が落ち着きを取り戻し、倒れた貫也に手を差し伸べたその時…。
女性は嫉妬する生き物なので、もともと長く続くようなことではなかったのよ。木村多江さん、相変わらず幸薄い役が似合うなぁ。
残念なところ
詐欺夫婦の幕引きがイマイチ。結婚詐欺で捕まるのではなく、子供をかばって貫也が服役するというよくわからない終わり。そこは子供を使わず、里子か貫也で良かったんじゃ…?と思ってしまいます。
見ているうちに気持ちが重くなっていき、最後にさらに重くなったけど、見終わった後は何も残らなかったです。
貫也が電話しながら里子がセリフを書いているところは笑えました。やっぱり阿部サダヲはこうじゃないと!
主要人物(キャスト)
・市澤里子(松たか子)・・・夫婦経営の「いちざわ」の女将。家事の後はラーメン屋でアルバイトをしながら、夫が騙す女性を探す。
・市澤貫也(阿部サダヲ)・・・夫婦経営の「いちざわ」の板前。家事の後は、高級料亭でアルバイトして女性客を騙し、その後騙し取ったお金で「とまり庵」で店長兼板前。
・玲子(鈴木砂羽)・・・「いちざわ」の常連客。酒の勢いで貫也と不倫し、もともと不倫していた相手から貰った手切れ金を貫也に渡す。
・咲月(田中麗奈)・・・貫也に騙された高級料亭の客。探偵を雇って貫也を探し出す。
・皆川ひとみ(江原由夏)・・・ウェイトリフティング選手。婚活パーティーで里子に声を掛けられ、兄として貫也を紹介され、付き合うことになる。
・紀代(安藤玉恵)・・・デリヘル嬢。源氏名はカンナ。客に断られたところで貫也と出会う。
・木下滝子(木村多江)・・・ハローワーク職員。シングルマザー。1人息子・恵太がいる。
・堂島(笑福亭鶴瓶)・・・咲月が雇った探偵。
感想・評価・レビュー
結婚詐欺なんて男性から女性だけじゃなく、女性から男性に対してもあるもので、性別なんて関係ないんですよね。
でも作中に出てくるような女性は、世の中にたくさんいるんだろうなぁ。孤独なあまり、冷静に考えればおかしいとわかることでも、その時はわからなくなっちゃうものなんでしょうか?
共感できるところはひとつもないし、見終わっても何の感情も浮かばない。なんだろうこのラストは…?
夫婦で結婚詐欺を働く『夢売るふたり』はオススメ度「★」
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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