最後のターゲットは、愛した男。
2017年に公開された韓国映画『悪女 AKUJO』をご紹介します!
チョン・ビョンギル監督が、10歳の時に見た映画「ニキータ」からインスピレーションを受けて作られた作品で、スタントマンを目指していた監督の渾身のアクション映画です。
史上最強の女殺し屋スクヒを演じるのは、テコンドーとハプキドーの黒帯を持つキム・オクビン。70日間の撮影のうち63日がアクションシーンで、その9割以上をスタントなしで自ら演じています。単純にすごい!話題となった冒頭の単身殴り込みシーンは、5日間かけて細切れに撮影。
"女性アクション映画は万人受けしない"という韓国映画界のイメージを大きく裏切った本作は、アクション好きにはたまらない神作品!
それでは最後までお付き合いください!
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【あらすじ】
幼い頃に父親を殺された少女スクヒは、中国朝鮮族マフィアの若頭ジュンサンに拾われ、暗殺者として育てられました。2人が結婚した矢先に、ジュンサンが敵対組織に惨殺され、スクヒは復讐を実行。逮捕されたスクヒは、国家運営の暗殺者養成施設で数年間過ごすことに。その時スクヒのお腹にはジュンサンの子どもが・・・。卒業試験に合格し、娘ウネを連れて施設を出たスクヒは、身分を偽って国家直属の暗殺者として第2の人生を歩み始めます。
国家が見張り役として差し向けた隣人ヒョンスに、怪しいと思いながらも次第に惹かれていきます。ヒョンスとの結婚式当日、新たな暗殺命令が下され、純白のウエディングドレスを身にまとったまま、トイレの窓からターゲットを遠距離狙撃。しかし、そのターゲットには見覚えが・・・。
【みどころ】
冒頭7分間のノンストップアクション
50人を超えるヤクザを次々と血祭りに上げていくシーンから物語が始まります。国家が摘発予定だった組織のアジトを、たった1人で壊滅させたスクヒ。銃撃戦からナイフでの接近戦まで、1人称視点での超至近距離の映像となっているため、臨場感あふれるハラハラドキドキのオープニング。ボスのところへたどり着き、最後の死闘が繰り広げられる中、鏡に映った女性の姿から、視点が3人称に切り替わります。
この切り替わる瞬間が、本当に魅せ方が上手い!これはぜひ見ていただきたい!見ればわかります!文字では伝わらないのが残念・・・。もちろん冒頭以外にも、アクションシーンは満載。バイクでの体当たり追跡劇も必見です!
結婚式の日に
国家直属の暗殺者として第2の人生を歩み始めたスクヒは、同じ日に隣に越してきたヒョンスに惹かれていきます。最初は怪しんでいたスクヒですが、少しずつ心を開いていき、2人は結婚。
結婚式当日。ウエディングドレスを身にまとったスクヒに、同僚ソンの携帯からクォン部長の指令が入ります。トイレの換気扇からターゲットを狙撃するというものでした。しかし狙撃は失敗。スコープを覗いて見えたのは、惨殺されたはずの育ての親であり最愛の夫ジュンサンでした。
一方、新たな夫となるヒョンスも、秘密を抱えていました。スクヒが属する暗殺部隊『国家情報院』の一員で、スクヒの監視役として送られた人物でした。しかし任務で近付きながらもスクヒを本気で愛してしまい、結婚することに。
愛する人に2度も裏切られ、父だけでなく娘まで殺されたスクヒは、復讐のために"悪女"になってしまった悲しい女性でした。
女殺し屋たち
施設にはたくさんの女殺し屋予備軍がいます。竹刀のような細長い棒を使って2人で戦う特訓では、躊躇なく思いっきり相手の頭に振り下ろします。思わず目を背けてしまいました。
他にも、目の前に解体された銃が置かれた机に向かい合って座り、合図で組み立て始めて相手より先に撃つという特訓。実はスクヒは、幼少期にも同じ特訓を受けていました。殺るか殺られるかの追い詰められた場面で、いかに冷静に素早く行動できるかで生死が分かれるという、普通に生きてたら遭遇しないような状況ですね。
施設を"卒業"したら、暗殺者としての生活が待っています。自由はなく、失敗すれば命を落とす人生・・・。そんな人生イヤーーー!!!!!
【登場人物(キャスト)】
・スクヒ(キム・オクビン)・・・主人公。暗殺者として育てられ、最愛の人を殺された復讐で逮捕。その後、国家直属の暗殺者となり、舞台女優チェ・ヨンスとして生活。隣人ヒョンスと結婚。
・ジュンサン(シン・ハギュン)・・・スクヒの育ての親で、後に夫となる。敵対組織に惨殺されたと思われたが、実は生きていた。スクヒの最後のターゲット。
・ヒョンス(ソンジュン)・・・国家情報院の一員で、スクヒの監視役として近付くが、スクヒを本気で愛していたため結婚。ウネを抱えて爆発から逃れるが、そのまま死亡。
・クォン部長(キム・ソヒョン)・・・国家情報院のスクヒの上官。
・ミンジュ・・・施設でスクヒと仲良くしていた。卒業後、スクヒとともにあたった任務で命を落とす。
・ウネ・・・スクヒとジュンサンの娘。
【感想・評価】
怒涛の2時間でした。冒頭の単身殴り込みから最後のカーチェイスからのバス車内での死闘まで、目が離せないまま2時間経ちました。殺し屋と言うだけあって、さまざまな銃、ナイフ、刀、手斧まで何でも使える上に、車やバイクでのチェイスでも引けを取らない。チェイスしながら武器使ってましたからね!
いやぁ~スクヒかっこよかった!ただ、誰もスクヒの側に残らなかったのが悲しい。父も娘も、友人や同僚も、愛した男2人も、みんな死んでしまいました。暗殺者になりたくてなったわけでもないのに、それでも人の命を奪うとそれ相応のものが返ってくるということでしょうか。
女殺し屋の狂気全開スタイリッシュバイオレンスアクション『悪女 AKUJO』はオススメ度「★★★✩(3.5)」※アクションは好き嫌いが分かれます。
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それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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