御行奉為（おんぎょうしたてまつる）
2005年のテレビドラマ『巷説百物語～狐者異～』をご紹介します！
京極夏彦の「巷説百物語シリーズ」の第２作目「続巷説百物語」に収録された作品のドラマ化第１弾。監督は「金田一少年の事件簿（堂本剛版）」「ケイゾク」「池袋ウエストゲートパーク」「トリック」「SPEC」の堤幸彦。
メインキャストは渡部篤郎、吹越満、大杉漣、そして紅一点の小池栄子。脇役も豪華です。
お上では裁けない悪党を、妖怪の仕業に仕立てあげて解決するストーリー。
それでは最後までお付き合いください！
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『巷説百物語 狐者異（こわい）』のあらすじ
斬首刑に処された極悪人「稲荷坂の祇右衛門（ぎえもん）」が生き返ったとの噂が流れ、江戸の人々は恐れていました。
諸国をまわって怪談・奇談を集めてまとめた百物語を作りたいと思っている山岡百介（ももすけ）は、興味本位で祇右衛門の晒し首を見物に。
しかしそこで奉行所の与力である笹森を見たおぎんの様子がおかしかったことで、さらに疑問を抱きます。そんな中、再び蘇った祇右衛門が江戸の町をおびやかし始め…。
みどころ
豪華すぎるキャスト
2005年だしかなりマイナーな作品ですが、だいぶ豪華！
肉体的に全盛期と思われる渡部篤郎のふんどし姿が拝めます。引き締まって細すぎないおみ足が美しい。気だるい雰囲気は天性のものですね。
悪人から善人、堅苦しい上司からひょうきんな下っ端まで何でも演じきれる吹越満。亡き名バイプレーヤー大杉漣。今や女優となった小池栄子。
メインの4人以外にも、嶋田久作、佐藤二郎、遠藤憲一などなど。大好きな俳優さんばかり！もうキャストだけで見る価値アリ！
狐者異（こわい）とは？
江戸時代の奇談集「絵本百物語」に出てくる妖怪。食への執着心を死後にまで引きずっている者がなると言われています。
死んでもなお、店を襲って食べ物を奪い、生ゴミをあさり、死肉すら口にするといいます。「怖い」の由来となったのはこの妖怪だとか、違うとか…。
作中では、何度斬首刑に処されても蘇る極悪人「稲荷坂の衹右衛門（ぎえもん）」の正体とされ、この世に未練たっぷりの死人で、死なずに何度でも生き返る化け物として描かれています。
又市特製のお札ににかわを塗って顔に貼りつけ、首を切り落としてその首をすぐに燃やし尽くすことが唯一の退治方法とされています。
昔から怖い話は需要があったんですね。
残念なところ
コメディ色が強すぎて原作の雰囲気とは真逆なものになってしまっているので、原作が好きな方にはおすすめできません。
キャストはクセが強い俳優さんばかりで、それぞれのキャラクターがよく活きているので、作品としてはとても楽しめました。「トリック」や「SPEC」など、堤監督作品が好きな方は楽しめます。
主要人物（キャスト）
・又市（またいち）（渡部篤郎）・・・口先三寸で人を謀（たばか）り、魔除けと称して怪しげな護符を高値で売りつける坊主。通称「小股潜（こまたくぐ）りの又市」。
・おぎん（小池栄子）・・・人形を使って往来で芸を売っている。もともとは料亭の娘だったが、料亭が潰れて天涯孤独に。通称「山猫廻（やまねこまわ）しのおぎん」。
・治平（じへい）（大杉漣）・・・薄汚い老人。元盗賊で変装の名人。左手首にシラミを飼っている。通称「事触（ことふ）れの治平」。
・山岡百介（ももすけ）（吹越満）・・・諸国をまわって怪談・奇談を集めて百物語を作りたいと思っている。
・田所真兵衛（遠藤憲一）・・・又市を追っている奉行所の役人。
・小右衛門（こえもん）（谷本一）・・・おぎんの保護者で、江戸の裏世界を牛耳っていた。又市におぎんを頼んで江戸を離れて10年が経つ。通称「御燈（みあかし）の小右衛門」。
感想・評価・レビュー
20年ほど前にアニメ版を見てハマり、U-NEXTで見つけて20年ぶりに観賞。そのまま自動的に本作に飛び、ついでに観賞。
アニメ版とはまったく毛色が違う作品でしたが、これはこれで楽しめました。キャストに助けられている部分もあるかもしれません。アニメや原作とは別物と思って見た方がいいです。
渡部篤郎がいい！吹越満がいい！大杉漣がいい！遠藤憲一がいい！嶋田久作がいい！小池栄子がいい！本当にひと癖もふた癖もあるキャスト陣ですが、みんなそれぞれに役がぴったりハマっていて面白かった！
アニメ以外知らなかったのですが、本作より前に2000年にもキャストは違いますが実写化はされていたようです。機会があればそちらも見てみたい。
京極夏彦のコメディ『巷説百物語～狐者異～』はオススメ度「★★★★」
最後までお付き合いいただきありがとうございました！
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