亡き祖母が遺したもの 映画『ヘレディタリー/継承』感想・評価・レビュー

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受け継いだら、死ぬ…

2018年のアメリカ映画『ヘレディタリー/継承』をご紹介します!

主演は「シックス・センス」のトニ・コレットで、21世紀最高に全米を震撼させたホラー作品。

作中には計算された緻密な恐怖が散りばめられ、最後まで目が離せません。すべてがラストへの伏線となり、それがわかった時にはある意味でスッキリ。

ごく普通の家族が、祖母から継承したものとは…?

それでは最後までお付き合いください!

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『ヘレディタリー/継承』のあらすじ

ミニチュア模型作家の主人公アニー・グラハムは、夫スティーブ、高校生の息子ピーター、中学生の娘チャーリーと4人家族。つい最近アニーの母エレンを亡くし、やがてグラハム家では奇妙な出来事が起き始めます。

そんなある日、ピーターの友人宅のパーティーで、ナッツ入りのケーキを食べたチャーリーがアレルギー発作を起こして呼吸困難に。ピーターはチャーリーを連れて車で病院へ向かいますが、路上の動物の死骸を避けようとハンドルを切り、窓から顔を出していたチャーリーは電柱に激突。ショックのあまりピーターはそのまま家へ戻り、自分の寝室へ。

翌日、頭部のないチャーリーの遺体を発見したアニーは発狂。しばらくおさまっていた夢遊病も再発し、ミニチュア模型でチャーリーの頭部が飛んで落ちている事故現場を再現するなど、完全に心が壊れてしまいます。

家族仲は険悪になり修復不可能に…。

映画『ヘレディタリー/継承』予告

みどころ

家庭崩壊

主人公アニー、夫スティーブ、息子ピーター、娘チャーリーの4人家族のグラハム家。

アニーの母エレンが亡くなったのをきっかけに、アニーはグループカウンセリングに通うようになります。母エレンは解離性同一性障害、父は精神分裂病によって餓死、兄は極度な被害妄想で自殺、そして自身も夢遊病に悩んでいるアニーは、ピーターやチャーリーにも遺伝性の精神疾患が現れることを恐れていました。

そんなある日、ピーターが友人宅でのパーティーに参加する条件として、チャーリーを連れて行くよう言われますが、ひとり退屈していたチャーリーがナッツ入りのケーキを食べてアレルギー発作を起こします。

呼吸困難になったチャーリーを病院へ連れて行く途中、動物の死骸を避けようとハンドルを切りますが、窓から顔を出していたチャーリーは電柱に激突。ショックを受けたピーターは誰にも報告せず…。

翌日、無残なチャーリーの遺体を発見したアニーは泣き叫び、それ以来家族の仲は険悪に。アニーはピーターを責め、ピーターは自責の念に駆られながらもどうにもできず、スティーブはそんな2人を止めようにもどうしようもなく。

アニーが完全に壊れてしまいましたね。娘を失った母の心ははかり知れないです…。

降霊の儀式

グループカウンセリングで知り合ったジョーンに自宅に招かれたアニーは、そこで降霊の儀式を体験。本物だと信じたアニーは、眠っているスティーブとピーターを起こし、チャーリーを交霊させようとします。しかし恐ろしくなったピーターが泣き出し、スティーブがアニーに水をかけて中断。

しかしそれ以来、ピーターは幻覚や悪夢に悩まされ、少しずつ病んでいきます。アニーは息子の危険を感じ、チャーリーのスケッチブックを暖炉で燃やしますが、同じように自分の手も燃え始め、慌てて暖炉から取り出して火を消します。

その後ジョーンを訪ねますが応答はなく、玄関マットを見たアニーは何かに気付き、急いで家へ。母の遺品にあったアルバムには、何かの儀式を行う生前の母とジョーンが一緒にうつる写真を発見。さらに自宅の屋根裏部屋には、頭部がない母エレンの腐乱死体が…。

母が「ペイモン」と呼ばれる悪魔崇拝カルト教団の教祖だったことを知ったアニーは、スティーブに屋根裏部屋のエレンの死体を見せて説明しますが、スティーブは夢遊病持ちのアニーの仕業だと取り合ってくれません。アニーは焼け死ぬ覚悟でスケッチブックを暖炉に投げ入れますが、アニーではなくスティーブの身体が炎に包まれ…。

悪魔崇拝系は怖い。

祖母が遺したものとは…

悪魔崇拝カルト教団の実態を、体をはって説明しようとしたアニーですが、スティーブが燃えてしまったことで完全に精神崩壊。

目を覚ましたピーターは、暖炉の前で父の焼死体を発見し、天井を這う母と、ドアの前に立つ全裸の男が目に入ります。ピーターはなんとか屋根裏部屋へ逃げ込みますが、そこには何かの儀式の痕跡が…。しかしいつの間にか天井近くに母が浮遊し、ワイヤーで自分の首を切断し始めます。

唖然としているピーターの前には、またも全裸の人たちが立っていて、パニックになったピーターは窓から外へ飛び出して落下。

何かが憑依して目覚めたピーターは…。

 

残念なところ

よくわからなかったけどとにかく怖かったのに、この陽気なエンディングはなくない!?ぶち壊しだよ!「大草原の小さな家」でも始まるかのようなエンディング曲でした。

怖いというか、何かずーっと不穏な感じが付きまとう127分でしたね。それがエンディングテーマに全部持っていかれました。

主要人物(キャスト)

アニー・グラハム(トニ・コレット)・・・主人公。両親、兄が精神疾患持ちで、自身も夢遊病に悩まされている。

スティーブ・グラハム(ガブリエル・バーン)・・・アニーの夫。

ピーター・グラハム(アレックス・ウルフ)・・・長男。高校生。大麻常用者。

チャーリー・グラハム(ミリー・シャピロ)・・・長女。人付き合いが苦手。ナッツアレルギー持ち。

感想・評価・レビュー

何かわからないけど怖かったです。何が、と言われると説明できません。不穏な空気がずっと続き、”怖い”というよりは”不安”とか”不気味”という方がしっくり来るかな…。

グラハム家はみんなかわいそうでした。チャーリーもそうだし、ピーターもそうなんだけど、ヒステリックな母と、存在感のない父。

ラスト・シフト/最期の夜勤」でも書きましたが、悪魔崇拝がダメなのは他人を巻き込むから!ピーターは悪魔の入れものとして使われ、チャーリーもあんな使われ方して…。

教団員たちはなんで全裸だったんだろう…?ジョーンは服着てたっぽいけど。

不安が付きまとう『ヘレディタリー/継承』はオススメ度「★★★」

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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