音楽・恋・君と出会って全てが鮮やかに色づきだした！
今回観てきた作品は新川直司先生の漫画を実写化した映画「四月は君の嘘」。音楽に、恋に向き合う青春時代を描いた感動の物語です。
一度は音楽の道を諦めてしまった有馬公生が、ヴァイオリニストの宮園かおりと出会ったことで音楽と再び向き合っていきます。
そして音楽が二人の距離を近づけ、育っていく恋心や思いやりが見え隠れする作品でした。
出演されている広瀬すずさんと、山崎賢人さんのちょっと変わった魅力も楽しめるのではないでしょうか？
原作を知らない方には観て欲しい。原作を知っている方には覚悟して観て欲しい。そんな作品です。
それでは映画「四月は君の嘘」の面白さを感想と共にレビューしていきますのでお付き合いください。
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かんたんなストーリー紹介！
母の英才教育を受け、正確無比な演奏で数々のピアノコンクールで優勝し、「ヒューマンメトロノーム」と称された神童・有馬公生（山崎賢人）は、母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなった。
高校2年生になった有馬公生は4月のある日、幼馴染の澤部椿（石井杏奈）と渡良太（中川大志）を通じ、ヴァイオリニスト・宮園かをりと出会った。
彼女は勝ち気で自由奔放。そんなかをりのヴァイオリンコンクールで聴いた圧倒的で個性的な演奏。そして楽しそうに音楽と向き合う姿に公生は惹かれていく。
かをりは公生の事を友人Aと呼び、ぞんざいに扱いながらも公生に言った「友人A君。君を私の伴奏者に任命します。」
かをりの強引な誘いをきっかけに公生はピアノと向き合い始めた。母親の残像と向き合いながら・・・。
そして公生はかをりが隠していた秘密を知ってしまう。
この作品の見どころ紹介！
過去のトラウマを乗り越えていく姿
この作品の主人公・有馬公生は母の英才教育を受け、死別したことで心のトラウマを抱えています。それはピアノの音が聞こえなくなるという現象を引き起こし、ピアニストとしての道を諦めていました。
そして宮園かをりと出会ったことで、半ば強引にですが音楽と母親の影に向き合うことが出来るようになっていきます。
コンクールで人に認めてもらう演奏をしてきた公生とは対照的に自由に表現し、音楽を楽しむかをりを見た瞬間に公生のモノクロの世界が色づいていきました。
再びピアノと向き合うことで、かをりと音楽を共有して楽しむことで少しずつトラウマを克服していく姿は魅力的です。
そして誰かのためにピアノを弾くことでトラウマを克服し、音楽の楽しさとひそかに抱いた恋心に気付いていきます。
初めはネクラで後ろ向きだった公生が、かをりと出会ったことで自分の心を開放して未来を見つめる姿を観ていただきたい。
今を生きる。その大切さを教えてくれる。
公生を音楽の世界に戻そうと無茶ばかりする前園かをりですが、家族以外には知られていない秘密を抱えていました。
難病のため自分の命がこの先長くない事・・・。後悔が残らないように公生に近づき、再び音楽と向き合えるよう背中を押し続けていました。
かをりの自由奔放さは、限られた時間を精いっぱい生きていることの現れだという事がわかります。
そしてかをり自身も公生と再び共演するために、大きなリスクを伴う手術を受ける決心をしました。失敗すれば残された時間すら無くなってしまう手術を・・・。
残された時間を後悔しない後ろ向きな生き方から、公生と共に共演する未来を目指して病気に抗う事を選んでいきます。
そしてラストに語られるかをりの秘めた思いは、観ている人の涙腺を崩壊させてしまう事になるでしょう。
それでも広瀬すずは可愛いよね。
高校生でヴァイオリニストの役を演じ、制服姿で天真爛漫にはしゃいでいる広瀬すずさんははっきり言って可愛いです。
人前で演奏する時の凛とした表情やドレス姿、病気で弱った姿はファンなら必見でしょう。
音と動きがあってるかは別として、ヴァイオリンの音を表現しようとしている動きは目を惹く事間違いないです。
まぁ可愛さについては多くを語る必要はないと思いますので、どんな姿が観れるのかだけ書きました。後は自身の目でご確認を！
この作品の残念な所・・・。
わかりやすくしたかったのかな・・・？
原作の漫画を映画化したことで、2時間という時間の中で「四月は君の嘘」の良さを伝えるのは難しかったのだと感じます。
アニメや原作がなく、この作品がオリジナル作品であったのなら、非常に楽しめた作品だったのではないでしょうか。
わかりやすい泣き所を作るために変更されていた部分がいろいろあったのですが、それが本当の感動を消してしまっています。
音楽という架け橋を通って、難病と戦う少女と夢を諦めたピアニストとの恋愛作品になってしまっているのは非常に残念。
公生が気持ちを伝えるシーンや、「死にたくない。」とかおりが公正に伝えた事で、非常にわかりやすい恋愛映画に成り下がっていました。
この要素でタイトルの「四月は君の嘘」の嘘が、薄っぺらくなってしまっているので気になる方は原作をチェック！
映画よりアニメ、アニメより原作・・・。
先ほどの内容は否定的な文もありますが、この実写化が悪いという訳ではなく、アニメや原作が完璧すぎた。
予備知識なしに1つの恋愛映画として観るならば、音楽というものを通じて恋に発展していく素晴らしいラブストーリーです。
しかし、宮園かおり・有馬公生・澤部椿など主要の人物はもっと魅力的であり、言葉の重みや伝わってくる感情が心のキャパシティを大きく超えてきます。
もしこの作品で涙を流した方は、アニメを観ると人前に出れる顔ではなくなります。そして原作を見ると・・・。
まとめ・評価
音楽・恋愛の素晴らしさが込められた映画「四月は君の嘘」は、原作よりも恋愛に重点をおいた感動の物語でした。
音楽は技術も大切ですが、人に聴いてもらって表現を伝える本質を再認識させてもらえる作品でもありました。
先に進めなくなっている有馬公生と、未来が限られている宮園かをりの2人が出会う事で、諦めていた未来を切り開こうと努力する姿は感動すること間違いなしです。
音楽・恋・夢・未来、どれも誰かがそばにいることで、より輝きだす素晴らしいものです。
悲しい結末は人によっては受け入れがたいかもしれませんが、一人では進めない灰色の世界を二人が出会ったことで望む心の結末を迎えたハッピーエンドだと思っています。
かをりがリスクの高い手術を受ける決意をしたとき、どんな未来を想像していたのでしょうか？それは希望に満ち溢れたとても幸せな未来だったと思います。
最後に個人的評価ですが、恋と音楽の素晴らしさが込められ、衝撃のラストは涙なしには観れない作品ですが、原作の良さを一部しか表現できてない作品なので「オススメ度★★★★」で締めたいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。
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