霧の中に潜む圧倒的な恐怖!「ミスト」【感想・評価・レビュー】

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外には未知の生物。狂いだした人間たちの狂気

今回観てきたアメリカ映画「ミスト」は、未知のモンスターが登場するパニックホラーでありながら極限状態の人間の心理を描いた最悪で最高の作品でした。

この作品は観る人を選ぶ作品であり、単純にホラー作品に求めている恐怖を感じたいと思う方は物足りないかもしれません。

極限状態で変わっていく人間の心理状態の恐怖が詰め込まれた作品であり、自分が正しいと思うことが最大の罠であると教えてくれる作品です。

先に少しだけネタバレしてしまいますが、この物語はかなり後味の悪い最後を迎えます。

それでも興味があるという方はお付き合いください。この作品の怖さなどを感想と共に書いていきたいと思います。

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簡単なあらすじ紹介!

ある田舎町を激しい嵐が襲った。翌朝、自宅の窓やボート小屋が被害を受けているのを見つけたデヴィッド一家は、買い出しのため息子のビリーと隣人のプレンと共に地元のスーパーマーケットへと向かった。

買い物をしていると店外ではパトカーや救急車のサイレンが鳴り響き、外から鼻血を出したダンが助けを求めてきた。

「霧の中に何かがいる。」そう言って店内を締め切った後、白い霧が辺り一面を包み込んでいく。

次第に明らかになっていく謎の生物と、霧の恐怖。恐怖を感じながらも店内に残された人々は生き残るために協力し合うが、狂信者カーモディが神の声を語り、極限状態の人々を惹き込んでいく。

未知の生物と極限状態の人間の恐怖。かすかな希望に賭けた最終決断。デヴィッドたちに待ち受ける驚愕の結末は・・・。

ミスト

見えない恐怖から未知の恐怖

店の外は白い霧で包まれて何も見えない状態。姿の見えない存在に襲われて被害者が出ていくので序盤では見えない恐怖に陥れていきます。

武器を求めて外の車に向かう男の腰にロープを結び付け、送り出すのだが見えない何かに引っ張られ、慌ててロープを引き戻すが戻ってきたのは彼の下半身のみ。

人間を襲う存在が霧の中に居る事を知ると、残された人間はその存在に更なる恐怖を抱いていきました。

そしてその存在が少しずつ明らかになっていくと、今度は未知なる驚異の存在に襲われていきます。

あるものは毒にやられて絶命し、またある者は体の中を食い破られて子供の苗床になってしまっている。

この作品では極力ネタバレしないで観た方が確実に面白いので、これ以上は伏せておきますがいろんな怖さが込められた作品であることは間違いないです。

極限状態で狂い始める人間の心理

田舎町を白い霧が覆っているのですが、舞台となるのはスーパーマーケット。閉鎖された空間で脅威にさらされると誰もが自分が正しいと思う行動をしていきます。

助けが来るまで立てこもろうとする者もいれば、救援を求めに外へ出ようとする者、神に祈る者など様々な人間が同じ空間に存在しています。

事態が悪化していくと救いを求め、狂信者の言葉に救いを求めてカルト教団のような組織が生まれ始めました。

状況が悪くなれば神の贖罪とし、良い方向に進めば神の声を聴ける狂信者の救い。極限状態ではその言葉を信じ、他の人を攻撃しだす人間の怖さもこの作品には込められています。

そして恐怖に耐えられなくなった人たちは死へと逃げる。この人間の弱さが誤った選択をし、救いのない最後へと繋がっていきます。

自分が正しいと思ってした行動や価値観に共感を得た者が組織なり、別の考えの者とは対立していく非常に奥の深い人間心理の絡み合った物語です。

最後に主人公が選んだ「衝撃の決断」をあなたはどうとらえるでしょうか?主人公の立場になって観ていただきた作品です。

容赦なく畳みかける絶望

突然現れた未知なる脅威に立ち向かうため、残された人間は協力しながら生き延びる道を探さなければならないのですが、極限状態ではパニックに陥り意味不明な行動をしてしまう者もあらわれます。

外には白い霧、その中には恐ろしい道の生物、それも様々な方法で襲い掛かってくる。

そして店内では狂信者の言葉に従い、贖罪として人間を捧げる者も出てくるなど絶望的な状況が次々と襲い掛かってきます。

そんな恐怖が次々と訪れるので、目を離せずかなり没入して見れる作品だと思いました。

狂信者の言葉に従わずに、助かるために自信が選んだ選択ですら絶望に変わっていきます。

脱出した後目にした妻の姿、生きることを諦めるほどの強大な生物、主人公の考えに従った人たちが選んだ選択。

最後の最後まで絶望する状況で進んで行く物語なので、観ようと思ってる方はこの後味の悪さを覚悟して観てください。

この作品の残念な所・・・。

何度も言いますが、はっきり言ってかなり後味の悪い結末となっています。観る人によってはかなり胸糞映画だと感じる可能性が高いです。

しかし極限状態で正しい行動をできる人間ばかりではないので、私はこの作品の結末も一つの結果だと受け入れました。

映画に一つの感動的な物語や人間の素晴らしさ、美しさを求めている方は観ないままの方が良いでしょう。



まとめ

はっきり言って、今回観た「ミスト」は、見終わった後もしばらくショックをうけた問題作だったと思います。

自分が映画に「主人公は困難を乗り越える」「頑張れば事態は必ず好転する」などの先入観があった事に気付かされるほど衝撃のストーリーでした。

謎の生物のCGやVFXは粗削りだったものの、恐怖の対象がそれに絞られなかったことで人間の怖さが浮き上がってきます。

内容をある程度知ってしまってから観ると、この作品の良さが伝わりにくいので調べずに観ることをおススメします。

人的には映画の常識を変えてくれた作品なので多くの方に観ていただきたいですが、人間が犯す残酷な描写や絶望感が苦手な方はこのまま観るのを止めておいてください。

最後に評価ですが、他に類を観ない残酷な人間描写と結末が衝撃的な分観る人を選ぶ作品なので「オススメ度★★★★」で締めたいと思います。

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