低予算の冒険活劇『勇者ヨシヒコと魔王の城』【感想・評価・レビュー】

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勇者ヨシヒコと魔王の城/Blu-ray-BOX DVD-BOX

2011年のコメディ・パロディドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』をご紹介します!

主人公の勇者ヨシヒコを山田孝之、同行する戦士ダンジョーを宅麻伸、村の娘ムラサキを木南晴夏、魔法使いをムロツヨシ、勇者一行を導く仏役を佐藤二郎が演じています。

スクウェア・エニックスのゲーム「ドラゴンクエスト」のパロディが多数あり、低予算で制作されています。衣装、美術などからもそれがうかがえます。ただ、キャストは豪華!ベテランから若手まで、芸人からアイドルまで、たくさんの方がチョイ役で出演されています。

2012年には続編の「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」が、さらに2016年に「勇者ヨシヒコと導かれし七人」が放送されました。

それでは最後までお付き合いください!

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『勇者ヨシヒコと魔王の城』あらすじ

この国が深い森に覆われていた、いにしえの時代。

謎の疫病で人々が命を落としていました。岩に突き刺さった平和の神が与えた伝説の剣「いざないの剣」を抜いた者こそが勇者とされ、村の若者たちが志願するも抜くことは出来ませんでした。最後の志願者ヨシヒコが剣を手にしようとした瞬間、剣は勝手に抜け落ち、勇者ヨシヒコが誕生。

謎の疫病に苦しむ人々を救う薬草と、その薬草を求めて旅に出たまま戻らない父テルヒコを捜す旅に出ることに。

道中出会ったダンジョー、ムラサキ、メレブが加わり、旅を続けようとした瞬間、薬草を手に入れていた父テルヒコと遭遇。旅の目的は果たされたが、仏が出現してお告げを与え、元凶となっている魔王を倒す旅へ…。

みどころ

有名ゲームの実写化!?

単刀直入に言うと、ドラクエのパロディ。発売元のスクウェア・エニックスも制作協力としてクレジットされ、ドラゴンクエストシリーズ公式サイトから本作の公式サイトにリンクされています。

敵としてスライムなどもハリボテやコスプレで登場し、効果音もゲームと同じものが使用されています。ただし、大きな戦闘シーンではスケッチ仕様のアニメーション化。

民家に入ってタルや壺などを割りまくり、引き出しを開け、村人に話しかけても同じ言葉しか返ってこないなど、ゲームを彷彿とさせるシーンも多数あります。

低予算と銘打ってるだけあってすべてが安っぽいです。キャストに全振り!?

個性的なキャラクター

全般的に登場人物は人の話を聞きません。勇者一行は勇者ヨシヒコを除いて、そこそこ話が通じる3人ですが、とにかく全員キャラが濃い。真っすぐでむっつりスケベの勇者ヨシヒコ、熱血漢なのに実はオカマな戦士ダンジョー、目が大きいだけのイマドキ女子ムラサキ、金髪きのこ頭のエセ教祖で習得呪文が少ない魔法使いメレブ。

盗賊たちは魔王のせいで攻撃性が増しているらしく、勇者一行の行く手を阻みます。マザコン息子と過保護な母や、異常にちんポジを気にする男、漫談でイライラさせる男、怒ると粗暴になる天女、自分の弱点を暴露するカッパ、ドリフターズ風の村人たち、恐妻家で子煩悩な1児の父の男、男とチューをすると心臓が止まる巨乳美女という魔法をかけられた中年男性などなど。

芸人さんもそれぞれの芸風を活かして登場します。終盤になるにつれ、ゲストは誰でも知っているような俳優さんが登場し、普通のドラマでは見られない姿を見られます。

各話の豪華キャスト

【第1話 カボイの村】

・志賀廣太郎・・・村長。

・きたろう・・・ヨシヒコの父。

【第2話 マーニャの村】

・池田成志・・・盗賊。5人組のリーダーだが、他の4人はバイトで終業時間がきて帰ってしまい、1人取り残されて倒される。

・中村倫也・・・盗賊サウダ。マザコンで中二病。過保護な母と口論になって戦意喪失。

・池谷のぶえ・・・サウダの母。過保護で戦闘中も息子を心配してヨシヒコたちの気を紛らわす。

・渡辺直美・・・生贄の女性オシナ。不細工な容姿のおかげで村に帰れた。正直なヨシヒコは「ブス」を連呼。

・福田雄一・・・山神様。ヨシヒコが来て以降、生贄の要求を止めた。

【第3話 キラナの村】

・安田顕・・・盗賊。ちんポジがベスポジに収まらず、しびれを切らしたムラサキに斬られる。

【第4話 川の上流・天女の岩】

・あべこうじ・・・盗賊。自己完結して悦に入る漫談で、イライラしたヨシヒコに斬られる。メレブは親近感を覚えた。

・小池栄子・・・天女。”魔王の攻撃をかわす羽衣”を持つ。穏やかな美女だが、ヨシヒコたちの無礼な振る舞いに激怒。「ハナブー」をかけられ、解除する代わりに羽衣を渡す。

【第5話 オイッスの村】

・沢村一樹・・・盗賊。バタフライナイフを駆使し、かっこつけてナイフを舐める決めポーズをとるが、ナイフには毒が塗ってあったため死亡。

・長江英和・・・村のリーダー。笑いが取れない人たちにメガホンでダメ出し。魔王討伐に必要な”無敵の靴”を守り、笑いあふれる村を作るためだった。

【第6話 ラムールの村】

・古田新太・・・盗賊。口は強気だが恐妻家。家事育児のため退散。第8話でも登場したが妻の乱入で戦意喪失。

・中村静香・・・看護師リエン。ヨシヒコと恋に落ちるが、「『男とチューをすると心臓が止まってしまう巨乳美女』に変える」という魔法をかけられていた。

【第7話 パゴラの村】

・与座嘉秋・・・五重塔1階の住人ジャイタン。ジャイアン風。他人の物を強引に自分の物にしてしまう呪術などでヨシヒコたちを絶体絶命の危機に陥れるが、母の乱入により形勢逆転。

・ホリ・・・五重塔2階の住人キサラ。キムタク風。1本しか無い矢で敵を攻撃するがド下手なので、外す度に回収して再び矢を射る。3回目でヨシヒコに矢を切られる。

・鈴木拓・・・五重塔3階の住人スズキ。全滅の呪文を使え、興味本位でかけさせたヨシヒコたちは全滅。

・ビューティーこくぶ・・・五重塔4階の住人タダタ。某通販会社社長風。様々な商品を紹介し、滞納していた家賃を商品のオマケに付けてヨシヒコに斬られる。

・今野浩喜・・・五重塔5階の住人大山。伝説の格闘家で、今は足腰弱った老人。ヨシヒコに仲間に誘われるが断る。

・鎌倉太郎・・・神父。

【第8話 アキバラの村】

・アップアップガールズ(仮)・・・アイドル。

・川久保拓司・・・ヨシヒコの代わりに勇者になったポンジ。元遊び人で「PJ」と呼ばれたい。雨、泥、徒歩はNG。

【第9話 妖精の城、神官の社】

・原史奈・・・妖精の女神ポロン。しかし正体は「命の指輪」を狙う悪魔。指輪を手にして正体を現し巨大化するが、指輪が指に食い込み、痛がっているすきにヨシヒコに斬られる。

・綾野剛・・・ケンタウロス。下半身が重荷になり、ぐるぐる走り回って遊ばれた上に疲れたところをヨシヒコに斬られる。

・加藤晴彦・・・牛からあらゆる物を吹き飛ばす強力な角を授かった男。誰も赤い服を着ていなかったため燃えることが出来ず撃沈。

・岡田義徳・・・牛から乳を授かった男。「かっこ悪い」などと言われ、戦いにストレスを感じて乳を出すことが出来ず敗北。

・鎌倉太郎・・・神官。

【第10話 アマネの村】

・マギー・・・カイザー伯爵。ヨシヒコの妹ヒサの婚約者。嫌味な金持ち。

・斉木しげる・・・仙人。「死の谷」に架かっている吊り橋の前で、やましい心を持った人間を通さないよう、渡ろうとする者に無理難題を出して、その答えで真意を量る。

・小栗旬・・・魔王の城の門番。魔法戦士バッカス。敵を仲間に引き入れる呪文でヨシヒコを操るが、正気に戻ったヨシヒコに斬られる。

【第11話 魔王の城下町】

・賀来賢人・・・警官。野宿しようとしていたヨシヒコに職務質問し、注意喚起する。

・岸井ゆきの・・・ヨシヒコのバイト先の同僚。

【第12話 魔王の城】

・野間口徹・・・魔王の秘書。強力な炎の呪文を操り、ムラサキ以外全滅。勇者の剣を手に入れたヨシヒコに倒される。

・黒坂真美・・・魔王の城の受付嬢。

・中尾隆聖(声)・・・魔王。

低予算でありながら、毎回登場するキャストが非常に豪華。前説的なシーンでほんの数十秒~数分登場する盗賊と、1話を通しての出演があります。いや、本当に豪華。ベテランから若手、芸人からアイドルまで色んな人たちが盗賊として出てきます。



残念なところ

ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズを知らない方にはわからない部分も多々あります。例えば呪文。メレブの呪文に関しては、ドラクエシリーズに出てくる呪文をモジったものもあり、それが笑いに繋がるため、知らない方には「???」かもしれません。

BGMなどもそのまま使われているため、知っていればテンションが上がるシーンも多く、知らなければその面白さが半減してしまう可能性が…。

それでもコメディとして十分楽しめる作品です!

主要人物(キャスト)

ヨシヒコ(山田孝之)

主人公。カボイの村に住む真面目で正義感が強い青年。おっちょこちょいでお人好し、純粋でバカ正直で単純、天然ボケで空気が読めない。尻フェチで巨乳好き。

平和の神が与えた伝説の剣「いざないの剣」を手にして勇者となる。勇者としての使命感を持つが、恋したりアイドルに転職したりで、本来の旅の目的を忘れてしまうことも。また、魔王の城下町ではその暮らしの快適さにすっかりなじみ、戦意喪失。その度に仏に諭されて旅を続け、魔王を倒す。

仲間と別れた後は、これまで立ち寄った村の平和を確認しながらカボイの村へ戻り、妹ヒサと再会。

 

ダンジョー(宅麻伸)

熱血漢で話が長い。もみあげが特徴の最年長。初対面でヨシヒコが話を聞かなかったことで、最後まで話を聞かせて殺すために一緒に旅をすることに。しかしそのうち友情や信頼が芽生え、向こう見ずなヨシヒコのストッパーにもなる。

「おっさん」と呼ぶと怒り、せめて「おじさん」にして欲しいそう。女性への接し方の心得もあるが、本性はオカマという一面も。

仲間と別れた後は最強の戦士を目指す旅へ。

 

ムラサキ(木南晴夏)

下手な似顔絵を手掛かりに、父の仇を捜していたところ、ヨシヒコに斬りかかる。父の仇だと確信するまで一緒に旅をすることに。素直で真面目、気が強くイマドキの女子、イケメン好きで貧乳がコンプレックス。

素人の女から魔法使いに転職し、強力な魔法を覚える。しかし魔王の城下町ではスカウトされてモデルデビューし、女優としても活躍。

別れる際、ヨシヒコと一緒に行こうとしたが、諭されて故郷に帰る。

 

メレブ(ムロツヨシ)

ある村で教祖をしていた魔法使い。相手を豚っ鼻にする「ハナブー」しか使えず、トリックを使って信者を得ていたが、ヨシヒコに見破られて旅に同行することに。1番の常識人でツッコミ役。ヨシヒコを諭すもヨシヒコは理解できず聞かない。

僧侶に転職するも、合コンで不人気だったため辞める。魔王の城下町では、メイド喫茶でお気に入りのメイドにしつこくしてこっぴどく振られ、パーティに復帰。

仲間と別れた後は、呪文習得のため西の国へ。

 

仏(佐藤二郎)

「お告げ」を伝える雲の上の仏さま。いい加減で胡散臭く、お告げもうろ覚えであやふやでざっくりとした内容。ダジャレを良く言い、ノリツッコミも自分でこなす。「お告げ」で登場するタイミングは自分発信ではなく、食事中だったり入浴中だったりしたことも。

魔王を倒すという旅の目的をヨシヒコが忘れる度に、諭して目的を思い出させる。ヨシヒコは裸眼では仏を見ることができず、声だけが聞こえる。

 

ヒサ(岡本あずさ)

ヨシヒコの妹。ひそかに後をつけ、いつも木の陰から心配している。旅が進むにつれて金髪になったりヤンキーになったりなど不良化し、極妻のような姉御に。しかし玉の輿で伯爵夫人となり、ヨシヒコたちが必要としていた「魔法のじゅうたん」を高額落札し、譲らなかった。危険な魔王討伐に行こうとする兄を止めたい一心だったが、兄の強い決意に負け、カボイの村へ戻る。

感想・評価・レビュー

シンプルに面白い。終始おふざけですが、宅麻伸よく出演OKしたなぁと。主演の山田孝之の振り切りもすごい。

俗にいう福田組の方たちが多く出演されていますが、ここから始まったんじゃないかな?出演した俳優さんたちのほとんどが、今を代表する役者になってます。ちなみに新堂本兄弟、スマスマ、ココリコミラクルタイプ、笑っていいとも!などなど、誰もが知る様々なバラエティ番組の構成担当も福田雄一監督です。

深夜帯での放送でしたが、知る人ぞ知る名作です。続編も制作され、さらに豪華なゲストが出演。

とにかく面白いの一言『勇者ヨシヒコと魔王の城』はオススメ度「★★★★★」

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最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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