最愛の亡き恋人は水の中に… 映画『きみと、波にのれたら』感想・評価・レビュー

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「ずっと助けるって約束したろ?」

2019年のアニメーション映画『きみと、波にのれたら』をご紹介します!

日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞を受賞した「夜は短し歩けよ乙女」の湯浅政明監督作品で、本作は上海国際映画祭などでアニメーション最優秀賞を受賞しています。

本作のために書き下ろされたGENERATIONSが担当する主題歌「Brand New Story」は、作中でもかなり重要な役割を持っていますのでそちらも注目!

主演は声優初挑戦のGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太と元AKB48の川栄李奈。消防士の青年とサーファーの女子大学生の運命の恋を描いたファンタジーラブロマンス。

それでは最後までお付き合いください!

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『きみと、波にのれたら』のあらすじ

サーフィン好きな向水(むかいみず)ひな子は、幼い頃住んでいた海辺の町にある大学に進学し、一人暮らしを始めます。

そんなある日、無許可花火の火の粉が原因で、ひな子が住むマンションで火災が発生。逃げ遅れたひな子を救出したのは消防隊員の雛罌粟港(ひなげし・みなと)。

それから2人はサーフィンデートを重ねて親密に。しかしクリスマスから数日後の雪の朝、港が海で命を落としてしまい…。

映画『きみと、波にのれたら』予告【6月21日(金)公開】

みどころ

運命の出会い、突然の別れ

幼い頃暮らしていた海辺の町に、進学で引っ越して一人暮らしを始めた向水ひな子。サーフィン好きで、連日近くの海で波に乗る日々。

ある日、自宅近くの廃ビルで無許可であげられていた花火の火の粉によって、ひな子の住むマンションで火災が発生し、屋上で救助を待つひな子。

ひな子を救出したのは消防隊員・雛罌粟港(ひなげし・みなと)で、後日サーフィンデートすることに。港はサーフィン初心者ですが、砂浜で簡易コンロを使ってきれいなオムレツを作り、コーヒーは豆から挽いてひな子は「なんでもできる人」と憧れます。

港が消防士になったのは、幼い頃に海で助けられた経験から、今度は自分が誰かを助けたいという思いからでした。

デートを重ねて親密になった2人は、クリスマスにデートスポットのタワーへ。それから間もない雪の朝、1人でサーフィンに行った港は、水難者を助けようとして命を落としてしまいます。港が大事にしていた、スナメリの絵が描かれたサーフボードは真っ二つに…。

島育ちの私は、海の怖さはよく知ってます。天気がいいから…凪だから…なんて関係ありません。だから絶対に1人では行かないし、1人では海に入らない。

水の中に…

港の死を受け入れられないひな子は、海から離れた場所に引っ越します。そこへ港の妹・洋子と後輩消防士の山葵(わさび)が、港の遺品を届けに来ます。港のスマートフォンがありましたがパスワードがわからず…。

ある日、ひな子が港と歌っていた歌を口ずさむと、近くの水の中に港が現れます。何度か試して「この歌を歌えば港が水の中に現れ、会話もできる」とわかったひな子は、透明の水筒に水を入れて港を出現させ、デートするように。

また、大きなスナメリの浮き袋に水を入れ、等身大の港を出現させ、手を繋いで町を歩きますが、ひな子以外には港の姿が見えないため不審がられます。

一方の港は、水の中にいる自分が何もできないことを痛感します。ひな子に触れることもできず、ナンパされても助けることもできない。

そんな時、港の後輩消防士・川村山葵(わさび)がひな子に好意を打ち明けますが…。

周りからしたら、ひな子がおかしくなってしまったと思ってしまうでしょうね。スナメリの浮き袋と手を繋いでスキップしているシーンは、ある意味で狂気を感じました。

永遠の別れ

車にはねられそうになったひな子を水の力で助けた港ですが、水がなくなると港が天にのぼるように姿を消すのを見たひな子は、港を二度と呼ばないことを決めます。

その後ひな子は港の実家を訪ね、港が消防士になることを決めた、幼い頃の海での経験の詳細を知ります。海で溺れた港を助けたのがひな子だったのです。その日付が港のスマートフォンのパスワードで、ひな子は港が最期にのこした未送信のメッセージを見ることができました。

そんなある日、洋子のバイト先の喫茶店で、ひな子が住むマンションの火災の原因となった無許可花火の犯人が、再び花火を上げようとしているのを知った洋子とひな子。2人は犯行現場を押さえるために犯人たちを追いますが、今回も火災が発生し、ひな子と洋子は廃ビルの上層階に取り残されてしまいます。

二度と港を呼び出さないと決めていたひな子でしたが、港が本当に望んでいることに気付きます。そしてひな子が歌ったとき、大量の水とともに港が現れ、「波に乗れ」と言われます。ひな子は流れてきた担架で波に乗り、洋子とともに無事に地上へ。そして港は…。

 

残念なところ

映画というには絵が少し雑というか、個人的な好みなのかな…?きれいなアニメーションばかりを好んで見ていたせいかもしれませんが、キャラクターが雑だなと感じました。

ただ、ストーリー展開に欠かせない水だけはきれいだったんですよね。サーフィンのシーンでの海や波、そして最後のビルでの大量の水や波など、清涼感もあってすごく良かったです。

好みが分かれる作品です。

主要人物(キャスト)

向水(むかいみず)ひな子(川栄李奈)・・・花屋でアルバイトをしているサーフィン好きの大学生。自分の将来が思い描けず悩む。

雛罌粟(ひなげし)港(片寄涼太)・・・消防士。スナメリの絵が描かれたサーフボードを愛用。料理が得意で、喫茶店を開くのが夢だった。

雛罌粟洋子(松本穂香)・・・港の妹。高2。口が悪く、ひな子を嫌っていたが、港の死後、港の夢だった喫茶店を開く勉強のため、喫茶店でアルバイトを始める。ひな子とも仲良くなり、山葵と恋人同士になる。

川村山葵(わさび)(伊藤健太郎)・・・港の後輩の新人消防士。ひな子に想いを寄せていたが受け入れてもらえず、のちに洋子と恋人同士になる。

感想・評価・レビュー

ザ・夏!という感じの清涼感あふれる作品でした。青春ラブストーリーかと思いきや、恋人が海で亡くなってどん底に突き落とされてからのファンタジー。

歌が作品のキーになっているということですが、知らずに見ると「???」です。2人で歌うシーンなんてすごく長いし、知らない歌だったので不思議な感じが続きました。

亡くなった人に会えるなら私も歌うし、ひな子みたいになってしまうでしょうね。水の中でもいいから会いたいと思うし、水を持ち歩いて周りの目なんて気にならないかもしれない。

港にしても、幼い頃に助けてくれたヒーローに再会して幸せの絶頂にいた時に、一度は助かった海で命を落とすなんて…神はいないのか…?

切ないストーリーでしたが、自信のない人の背中を押してくれる『きみと、波にのれたら』はオススメ度「★★」

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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