私だけが彼を理解できる
片山慎三監督の実話をもとにした短編映画『そこにいた男』をご紹介します!
2019年に起きた新宿ホスト殺害未遂事件を参考に、売れない役者の男性とドラマ制作進行の女性の歪んだ恋愛ストーリーとして描かれています。
本作はオンラインでの公開となっており、クラウドファンディングも活用されています。低予算で制作できる反面、劇場で上映するのは難しいのが短編映画。若いクリエイターに希望を与えることを願ってのプロジェクトだそうです。
それでは最後までお付き合いください!
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【あらすじ】
深夜、マンションのエレベーターホールに座り込んで、血だらけでタバコを吸いながら誰かと携帯で話している主人公の紗希。その傍らには、意識を失いかけた血まみれの男性が横たわり、マンションの住人たちはその様子を撮影。集まった警官たちは慌ただしく無線で連絡を取り合い、マンション内は騒然としていた。
ふたりの出会いは2年前。取調室でうつろな目で柔らかい笑みを浮かべながら、紗希は翔との関係を話し始めます。
【みどころ】
紗希と翔の関係
売れない役者をしていた翔に優しくされ、翔を理解できるのは自分だけだと思ったドラマの制作進行をしていた主人公紗希。2人は恋人関係になり、紗希は翔に自分の収入以上のものを貢いでいました。そんな紗希とは裏腹に、翔は紗希に対して少しの愛情もなく、体の関係どころか触れることもありませんでした。やっと体の関係を持って舞い上がる紗希は、その時初めて、自分が翔のことを何も知らないことに気付きます。
気付くの遅くない!?
もうひとりの女の影
ある日、服を脱いだ翔の体に落書きがあり、2人は喧嘩になります。その後、眠ってしまった翔の体の落書きをよく見ると、”げんた”という文字が。それを見た紗希は、それが翔の本名だと知り、お腹を十字斬りして”げんた”の文字に包丁を振り下ろします。痛みで目が覚めて救急車を呼ぼうとする翔の携帯を取り上げ、”ゆゆたん”に連絡。
実は翔には妊娠している妻がいて、夫の浮気に気付いた妻が、自分の存在を知らせるために落書きしていたのです。
同情はするけど元凶は翔だからな…。でも見てるだけで痛い…。
新宿ホスト殺人未遂事件
2019年5月、新宿歌舞伎町近くのマンションで、21歳の女性が好意を寄せるホストの男性の腹に包丁を突き立てて殺害しようとした事件。「好きで好きでしかたがなかった。殺してしまえば永遠になって傷つかない。」という被告に対し、一命を取り留めた被害者の男性は、「罪を償うのではなく普通の生活を」と寛大な処分を求めたことでも知られています。
最初のシーンは実話そのもので、この事件の写真から本作は作られたそうです。しかし被害者と加害者はあくまでホストと客の関係で恋愛関係にはなく、報道と実情にはくい違いがあると被害者が話しています。今は元気にされているようで良かったです。
【主要人物(キャスト)】
紗希(清瀬やえこ)
ドラマの制作進行をしていた時に翔と出会った。恋人関係になり、服や小物、車などを貢ぐようになり、家賃光熱費、税金まで支払うように。体の関係はなかったが、簡単に触れないところに、今までの男性とは違うとのめり込んでしまう。
翔(安井秀和)
売れない役者。紗希と恋人関係になるが、実は妊娠している妻がいる。浮気に気付いた妻のイタズラによって、紗希に刺されることになる。
【感想・評価・レビュー】
短いからと軽い気持ちで見始めた瞬間、血を見てめまいがしました。でもこの最初のシーンは実話なんですよね。お腹十字斬りは見事でした。でもその後の横腹に包丁を突き立てるのは目を覆ってしまいました。痛いって…。
もちろん紗希も良くないんだけど、翔が蒔いた種だから同情しきれないのもありました。ただただ産まれた子供がかわいそう。最初から最後まで、ただ映像を見せられているという感じで、作品としての面白さは良くわかりませんでした。
痴情のもつれから起きた悲劇を描いた『そこにいた男』はオススメ度「★」
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最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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