ダメ王子から、真の英雄へ
2006年5月~2007年3月まで韓国MBCで全81話で放送され、最高視聴率は驚異の52.67%!
東明聖王(トウメイセイオウ)やその一族の神話伝承を元に、高句麗初代王朱蒙(チュモン、東明聖王)を主人公とした韓国史劇ファンタジー。
番組の都合上、放送休止になったり、放送時間が深夜にずれ込んだ時には、視聴者の抗議が放送局に殺到する程に人気が過熱。
韓国歴代トップとなる35週間連続視聴率1位を記録した「朱蒙 -チュモン- Prince of the Legend」をご紹介します!
(※極力ネタバレをしないよう、おもしろさだけ伝わるように書いていきます。)
2006年MBC演技大賞ではチュモン役のソン・イルグクが演技大賞、ヒロインのソソノ役ハン・ヘジンが女性最優秀演技賞受賞を筆頭に、主役から脇役までで主要な賞7部門を総ナメするという怪物ドラマとなった。
見始めたら止まらない!かなり依存性が高いドラマです!
この作品を観たら、チュモンの孫で高句麗第3代王大武神王を主人公にした『風の国~The Land of Wind~』もオススメ!
※朝鮮王朝時代の身分制度をまとめた記事はこちら。
それでは最後までお付き合いください!
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【あらすじ】
紀元前108年、漢の侵略により古代国家古朝鮮が滅亡する。
国を失った流民たちを率いてタムル軍を結成し、漢に抵抗する英雄ヘモス将軍は漢軍との闘いで重傷を負い、河伯(ハベク)族の娘ユファに助けられる。
やがて2人は恋に落ち、ユファはヘモスの子を身ごもるが、ヘモスはそれを知る間もなく漢軍の矢に倒れてし まう。
愛する人を失った悲しみの中、ユファはヘモスの親友で扶余(プヨ)の太子(たいし、次期王)クムワに保護されて男児を出産し、チュモンと名付ける。
秘かにユファに想いを寄せるクムワは彼女を側室に迎え、友の忘れ形見チュモンを我が子として育てる。
20年後、扶余の王となったクムワは、意気地が無く軟弱なチュモンに失望させられてばかりいた。
にもかかわらず寵愛を一身に受けるチュモンを、クムワの正妻や2人の兄たちは敵視し、チュモン殺害の計略を企てていた。
ある日、チュモンは兄たちの罠で泥沼にはまり、偶然通りかかった大商団の娘ソソノに助けられる。
ソソノは、"口ばかりの情けない男"と呆れながらもなぜか心に残る。
そして、チュモンは兄たちの様々な策略の末、ついに宮中を追放されてしまう。
その後山中の牢獄で出会った謎の盲目の男に、彼が実父ヘモスであるとも知らないまま武芸を学び、強く生まれ変わっていく。
【みどころ】
誰が本当の敵なのか?
大国ではよくある権力争い、それに伴う派閥の対立。
本作の中ではチュモン派vsテソ派ですが、それぞれに忠実に付き従う人たちと、行ったり来たりする人たちがいます。
人で選ぶか、より有益な方を選ぶかは様々です。
クムワに至っては、チュモン寄りで表向きは中立だったはずなのに、嫉妬に狂ってチュモンアンチに・・・
テソが傍若無人になったのも、クムワのせいじゃないかと疑ってしまう・・・
子にとって親の愛情って大事!
東明聖王の神話
天帝の子と称する解慕漱(ヘモス)と愛し合ったが、ヘモスはいなくなってしまい、父母によって幽閉されたと言う柳花(ユファ)。
金蛙(クムワ)はこの話を不思議に思って家にユファを閉じ込めると、日光に照らされたユファが身ごもり、大きな卵を産み、中から男の子が生まれた。これが朱蒙である。
というのが東明聖王の誕生秘話らしい。
ヤンデレを閉じ込めたら妊娠して卵産んで男の子が出てきた、というお話ですか?
でも神話ってだいたいこんな感じですよね。夢がある!
魅力的な脇役たち
町のゴロツキだったマリ、オイ、ヒョッポの3人はチュモンの忠臣となる。それぞれの得意分野を活かしてチュモンと共に成長していく姿が素晴らしい!
「王子様が死ぬなら自分も死ぬ」が口癖の鉄器工房の親方モパルモは、とっても可愛らしいおじいちゃん。
クムワの第二王子ヨンポは架空の人物ながら、実に厭味ったらしいテソの金魚のフンを演じつつも、自分も上に行きたいという欲が出て母親に怒られるということを繰り返すおバカキャラでした。
テソが絶対の信頼を置く忠臣ナロは、最初は戸惑っていた様子でしたがどんどん冷酷になっていき、人間の嫌な部分が表された人物でしたね。
もっとたくさんいるのですが、最後に私が1番好きな悪役を・・・
イ・ジェヨン演じるプドゥクプル!
扶余国一の切れ者で、何よりも優先されるべきは扶余の繁栄であり、扶余の財政を思うあまり、飢えるほどの困窮生活で耐え偲ぶなど、忠誠心は相当に高い。
でも、お国の為なら手段を選ばないので、テソ側からすれば有能な忠臣なんだろうけど、チュモン側からすれば冷酷無慈悲なクソ野郎です。
他にも素敵な人たちがいますが、多すぎて紹介しきれない・・・
実際に観ていただきたいです!全81話!
【主要人物(キャスト)】
チュモン(ソン・イルグク)
ヘモスとユファの子で、クムワの養子として育つ。
武芸も出来ず、政にも興味がなく遊びほうけていたため、周りから見放されている。
度重なる失態から義父クムワの怒りを買って宮殿から追放されるが、極秘裏に投獄されていたヘモスと出会って武芸を叩き込まれ、秘めていた武才が一気に開花する。
後に完全に扶余(プヨ)を離れ、高句麗を建国する。
朱蒙(チュモン)とは弓の達人に贈られる名称であり、百発百中の腕前を持っている。
ソソノ(ハン・ヘジン)
大商団ヨンタバル君長の娘で、将来あとを継ぐために父と共に商団を率いている。
知略だけでなく、自ら軍の先陣で剣を振るうほど武芸にも秀でている。
初めは馬鹿にしていたチュモンが成長していくのを見て段々惹かれていく。
後にチュモン率いるタムル軍に協力し、チュモンと共に高句麗建国を成し遂げる。
テソ(キム・ミンス)
文武両道に優れた扶余国王クムワの第一王子。後の東扶余最後の王となる。
チュモンを敵視し、権力を勝ち取ることに執念を燃やす。
能力的には優秀だが、クムワになかなか認めてもらえず、無理やり全権を奪う。
クムワが復権した際に、宮殿を出て国境警備に派遣された先でこれまでの自分を省みて、恨みを抑えて高句麗や漢とも堂々と渡り合えるようになった姿を知ったクムワから王位を継承される。
クムワ(チョン・グァンリョル)
扶余の王でチュモンの義父。
思慮深く独立心に溢れた君主で、民や家臣から畏れ敬われている。
ヘモスと共にタムル軍を率いて漢と戦ったが、先王とその家臣の策略によりヘモスを失ってしまう。
ヘモスに対しての自責の念とユファへの想いから、ユファを側室として迎え、チュモンを自分の子として育てる。
チュモンがタムル軍を結成してからは扶余との板ばさみに苦悩するが、親子の縁を切って対決することを選ぶ。
ユファ(オ・ヨンス)
ヘモスと惹かれあいチュモンを身ごもるが、扶余の裏切りによりヘモスと父を失う。
チュモンを育てるためクムワの側室となる。
ヘモスの抱いた大業をチュモンが成し遂げることを願っている。
ヘモス(ホ・ジュノ)
チュモンの実父。
勇猛果敢な戦士で、クムワと共にタムル軍を率いて多くの古朝鮮の流民を救い、その圧倒的なカリスマ性から漢に抵抗する朝鮮民族の英雄となる。
扶余の裏切りによって漢に捕らえられ両目を失い、逃げたところを漢との対立を恐れる者たちによって約20年間も秘密牢獄に幽閉される。
両目を失ってもその武芸は衰えることはなく、後にチュモンの師匠となる。
チュモンが我が子だと気づくが、敢えて名乗らず、師として成長を見守る。
【感想・評価】
民のために戦いながらも国に裏切られ、両目を失い、20年もの間幽閉され、知らずのうちに生まれ成長した我が子に剣を教え、非業の死を遂げたヘモス。
その遺志を継いで国を建て、初代王となる息子チュモンの壮大なサクセスストーリーでした。
全81話もありますが、中だるみもなく最後まで一気見しました。話題沸騰中にレンタルDVDで見ていたため、貸し出し中で待たされることもありましたが・・・
総制作費50億円かけているだけあって、衣装もセットもめちゃくちゃ豪華で華美!キラッキラしてます。
チュモンの2人の兄がもう腹立つこと・・・イライラしっぱなし!
韓国史劇ドラマには必ずと言っていいほど出てくる神女のお告げですが、昔はそういう信仰が根強かったんでしょうね。
悪用されたら危険すぎる・・・
今と昔じゃ人ひとりの命の重さが違ったから、今当たり前のように生きてることに感謝しつつ「オススメ度★★★★」で締めたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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