映画 スマホを落としただけなのに／Blu-ray-BOX DVD-BOX
スマホから暴かれた個人情報。そして女は狙われる。
今回観てきた作品は現代社会における身近な恐怖が込められた「スマホを落としただけなのに」。この恐怖は誰にでも起こりえる内容なのかもしれません。
主人公の富田誠が、タクシーの中にスマホを置き忘れてしまった事から恐怖の物語が始まっていきます。
あなたはスマホを持っていますか？SNSを利用していますか？もちろん私も利用しています。
この作品はスマホというものにどれだけの情報が保存され、人とのつながりを生んでいるのかよくわかる作品でした。
初めはホラー要素の強い作品と思っていたのですが、人間の異常性が生み出す恐怖が込められています。
それでは「スマホを落としただけなのに」の面白さと怖さを、感想と共にレビューしていきますのでお付き合いください。
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かんたんなストーリー紹介！
富田誠（田中圭）は大事なプレゼンに向かうためタクシーで移動していた。途中、渋滞に巻き込まれ、約束の時間に間に合わないと思った富田は、電車で移動しようと慌ててタクシーを降りる事に。お釣りも受け取らず、急いで飛び出してしまったタクシーには富田のスマホが置き忘れられていた。
恋人の稲葉麻美（北川景子）は連絡のつかない富田に電話をかけると、知らない男が麻美の名前を呼んだ。その男との会話で「タクシーでスマホを拾った事」「現在、横浜のカフェにいる」事がわかり、そのカフェに預けてもらって受け取りに行く事に。
富田の代わりに受け取りに行った麻美だったが、男は待ち受け画面に映っていた麻美の美しい容姿に異常な興味を持っていた。
その頃、神奈川県の山中で若い女性の死体が発見される。髪の毛の一部が切り取られ、腹部に複数回の刺した跡があった事から警察は殺人事件として捜査を始めていた。
そして2つの事件は次第に、狂気に満ちた惨劇へと発展していく。
この作品の楽しみ所紹介！
スマホという誰もが持っている分身
この作品では誰もが持っているスマホが事件に巻き込まれるきっかけとなっていきます。ただの便利な携帯電話と認識している人も多いのではないでしょうか。
あなたのスマホにも他人に見られたくない情報が入っていませんか？私は見られたくない情報がたくさん入っています。
スマホを落とすという誰にでも起こりうる失敗で犯罪者に悪用され、被害者となってしまう危険性と恐怖が込められた作品でした。
富田は落としたスマホから氏名や職場、クレジットカード情報など、ありとあらゆる個人情報を抜かれてしまいます。
そして彼女の麻美の写真が連続殺人犯の興味を惹き、SNSの乗っ取りや情報操作で追い詰められていきました。
まさに現代のホラー作品。スマホを落とすという事は時として、財布を落とすことより危険なことを観せてくれます。
スマホを利用している方は、ヤバい人間に見られないよう気を付けて・・・。
SNS悪用の恐怖
今では誰もが使っている「LINE」「facebook」「Instagram」などのSNS。非常に便利なのですが、悪用されるとその危険性はかなり高いものです。
情報の抜き取りはもちろん、住所や氏名まで流出してしまう恐れが・・・。
この作品の連続殺人鬼は他人になりすまし、麻美を執拗に追い詰めていきました。その方法は知り合いに成りすまして接触してきたり、恋人しか見れない画像を流出させられたりと非常に悪質です。
犯人は浮気と思われるような現場を作り出し、その動画や画像を送り付けられた富田と麻美は恋人にすら不安を感じていきます。
情報化社会の現代で、間違った情報に踊らされることは少なくなありません。それが自身の身に降りかかったらと考えると非常に恐ろしいですよね。
そしてその状況を利用して直接接触してくる連続殺人鬼は、拾ったスマホに罠を仕掛け、直すという方法で信頼を得ていきます。その信用すら準備されたものだと知らずに・・・。
パスワードを名前や誕生日などにしている方は、被害者になる危険性が非常に高いので気を付けて下さい。
同時進行していくストーリー
スマホを落としてから富田と麻美の周りに異変が起き始めていきます。そして犯人である「男」は次々とネットを使った悪質な行為を仕掛けていきました。
そして連続女性殺人事件追っているのもハッカーである「男」。その3つのストーリーが同時並行的に進行していきます。
それが終盤に向かって繋がっていくので、観ている側は物語にのめり込んでしまうでしょう。
この犯人を突き止める側と突き止められる側の両方を観ながら、謎が解明されていく所がこの作品の素晴らしい所です。
そしてその両方に「スマホ」というデバイスが絡み、その危険性をリアルに描き出していました。
パスワードを変更すれば犯人はそれを暴く。浮気らしい現場を作り出して画像や動画を送ったら、富田と麻美が言い合いを始める。リアルに行動の後の反応が観れていくので目を離せないです。
この今までになかったストーリー展開にも注目していただきたい。
この作品の残念な所。
現代でも問題になっている様々な問題の危険性を多く取り入れている作品ですが、他にも多くの秘密が詰め込まれていました。
それは犯人が幼少期に受けたネグレストが人格に影響を与え、異常な行動をしていくというもの。
そして被害女性は家族と疎遠になっている人達が狙われているというのも理解できます。
しかし麻美が狙われ、家族と疎遠になった理由が予想外すぎて本題が頭から飛びかけました。それが終盤に明らかになるので設定がごちゃっとしている印象で終わってしまいます。
ストーリーも大きな見せ場があまりないので淡々と進んで行く感がありました。
ラストに犯人の「男」が熱演して見せる異常性は、見ごたえがあるので期待して下さい。
まとめ・評価
恐怖というよりはネットの悪質な使い方をする人間の怖さが詰め込まれた作品「スマホを落としただけなのに」は、傑作とはいえないまでも非常に興味深い内容でした。
富田と麻美、犯人、警察の3つの視点で物語を同時に進めていく流れは、観ている人にリアルさを伝えてくれます。
ネットの中の専門的な部分がわからない方にも理解できるようわかりやすく描写されているのですが、その危険性はしっかりと伝わってきます。
そして犯人を熱演するあの人の演技はしっかりと観ていただきたい。異常なまでに目を見開き、異常性を出した後、一瞬で爽やかないつもの表情に戻るところは凄かった。
最後に個人的評価ですが、ストーリーの流れと見せ方が素晴らしく、誰にもが危険にさらされている事を実感させてくれる作品ですが、見せ場が少なく、設定がごちゃっとした印象を受けた作品でもあったので「オススメ度★★★」で締めたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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