映画 カイジ 人生逆転ゲーム／Blu-ray-BOX DVD-BOX
猟奇過ぎるゲーム！金がなければ人生を賭けろ！
今回観てきた作品は「カイジ 人生逆転ゲーム」。人生の負け犬、伊藤カイジが借金返済のために命を賭けたゲームをするというお話。
しかし、ただのギャンブル作品と思いきやこの作品には人間の醜さ、ズル賢さ、残酷さがいたる所から見えてくる。そしてわずかに見える人間の優しさと圧倒的閃きが予想すらしない展開へと物語を進めていきます。
私自身がこのような状況に陥ったら間違いなく食い物にされるでしょう。
地上数百メートル上空で行われる落ちたら死ぬ鉄骨渡りなんて、あなたには渡り切るイメージが出来ますか？
そんな猟奇的な世界がこの作品の中で、金持ちの娯楽として行われていきます。
それでは「カイジ 人生逆転ゲーム」の面白さをレビューと共に書いていきますのでお付き合いください。
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かんたんなあらすじ紹介！
特別な才能もなく目標もない・・・。そんな負け組人生を送るカイジは保証人になった事で多額の借金を抱えてしまった。
返す当てもないカイジは金融会社の女社長・遠藤から豪華客船で行われるギャンブルの話を聞かされる。
「借金を帳消しにし、大金を手に入れられるチャンスがある！」そんな口車に乗り、言われるままに晴海ふ頭に向かうとそこには豪華客船があった。
船の名はエスポワール（希望）。そこで人生を勝ち取るために全てを賭けた、運命のギャンブルが始まる。
みどころ紹介！
単純だからこそ奥が深いゲーム！
命と大金が賭けられ、作品の中で行われる異常なゲームはシンプルなものが多いです。初めて見た人でもわかりやすく、命を賭けなければ私たちでも楽しむことは可能です。
この作品で登場するのは「限定ジャンケン」と「Eカード」。ブレイブメンロードという「鉄骨渡り」も登場しますが、それは作中で確認してください。
まずは限定ジャンケンの簡単な紹介。参加者に配られるのは数枚のカードと星３つ。ジャンケンはカードで行われ、勝ったら人は負けた人間から胸の星を奪えるというルール。あいこはカードのみを消費して星の移動はなし。
そして制限時間は３０分、時間切れまでにカードを使い切り、星を３つ以上持っている事が勝利条件なのですが、人を騙そうとする人間と何も考えずに勝負をする人間が入り混じり、奥の深い心理戦が繰り広げられていきます。（原作では多くとった星の売り買いなどもあり、人間の醜さがもっと表現されています。）
次のEカードは１対１で行われる各自５枚のカードを使った心理ゲーム。カードを１枚決めて目の前に伏せ、同時に開けて勝敗を決めるシンプルなルール。
それぞれが持つカードには１枚ずつ勝敗を決めるキーカードが入っています。それは「皇帝」と「奴隷」。皇帝は市民に勝ち、奴隷は市民に負ける。しかし、奴隷だけが皇帝を倒せるという皇帝側有利のゲームになっています。（奴隷側の勝利は報酬が１０倍）
わかりやすくいうと、奴隷側が相手の出すカードを読み、皇帝を選択したときに奴隷を出せれば勝てる。（皇帝側は相手が市民を出したときに皇帝を出せば勝ち！）
これはただのカードゲームのようで、カードを使った心理ゲーム。相手の心理の裏の裏の裏まで読んでいくところは必見です！
あふれ出る人間の本性！
希望の船・エスポワールに集められたのは人生を変えようとする人間。負け続けた人間、騙された人間、何もしてこなかった人間などクズと呼ばれる人間たちでした。
そんな人間たちが人生の再起をかけて勝負しているので、他人を踏み台にても生き残ろうとする騙し合いが繰り広げられます。
良い人の顔して近づいてきながら最後には裏切って奪っていく。そんな姿は現代社会でも行われている悪行です。（この作品を見て人を疑う力を身につけましょうwww)
そして何より恐ろしいのが、そんな人間が苦しむ姿を娯楽として楽しむ成功者と呼ばれる人たち！クズたちの一喜一憂を楽しみ、死ぬ瞬間ですら娯楽にしていました。
そんな成功者の側近、香川照之演じる利根川は作品の中ではっきりと言っていました。「金は命より重い！」
日本でもわずかな金欲しさに強盗などで人の命を奪う事件がニュースなどで報道されている現代でも、他人の命より金を優先する人がいることも事実だと思います。
人間の心の闇の部分が色濃く表現されているので、そういった部分にも注目して観ていただきたい作品です。
圧倒的な藤原竜也さんの演技力
この作品で「日本一クズ役の似合う男」と呼ばれるようになったほど、カイジ役の藤原竜也さんの演技は人の目を惹きつける魅力がありました。
カイジファンならだれもが知っている名言「キンキンに冷えてやがる！」という言葉は、他の演者さんではここまで心を動かされなかったでしょう。
このセリフは地下労働施設で一本のビールを手に入れたときにカイジが発したセリフなのですが、その喜び方・喉への流し込み方など全ての行動で嬉しさが伝わってきます。
そして勝利を収めたとき、自分より優秀な人間に嬉々として勝利の道を語る姿は普段のクズの姿からは想像も出来ないほどカッコよかった。
私的には最後に一緒に戦った石田との約束を守った後、カイジが見せる優しい表情で鳥肌が立ちました。
他の作品も素晴らしいですが、クズ役の基盤となったカイジの藤原竜也さんに注目していただきたいです。
この作品の残念な所！
この作品は福本伸行先生の漫画「カイジ」を原作に実写化された作品なのですが、原作で使われていた圧倒的な猟奇さが変えられていました。
映像作品なので仕方ない所ではありますが、原作はもっと異常で猟奇的なシーンがあり、さらなる緊迫感と絶望感が詰め込まれています。
中でもEカードで賭けているのが映画ではお金ですが、原作でカイジが賭けるのは聴力！耳に特殊な器具を付け、針が鼓膜に到達するまでの距離をかけています。
耳元で自分の鼓膜に針が近づくキュルキュルという音を恐怖に耐えながら聞いているので、命を賭けたギャンブルの怖さがダイレクトに伝わってきます。
残酷な表現は様々な規制がかけられているので仕方ない事でしょうが、この作品の異常さをそのまま見たい方は漫画かアニメ作品に挑戦していただきたい。
まとめ・感想
原作が好きな人にも納得の実写化作品だった「カイジ 人生逆転ゲーム」は、いろんな意味でみんなに観ていただきたい素晴らしい作品でした。
人に騙されたことがある人や、ギャンブル好きな人にはもちろん、人に騙されたことがない方にも人間の闇を知ってもらうために観て欲しい作品です。
そして、そんな場所でも人を信じる心や優しさに助けられ、かけがえのない人になる瞬間も見どころでした。
次々と進んで行くゲームは息をのむほど緊張感があり、目を離せない展開が次々と起こるので最後まで中だるみする事無く観れるでしょう。
話もしっかりまとまっているので原作を知らない方でも楽しめます。脇役も豪華な俳優が出演してますので、実際に観て誰がどんな役を演じているか確認してみてください。
最後に評価ですが、演者の素晴らしい演技力と緊張感がしっかり伝わってくるのですが、原作を先に観た方には少し物足りない部分があるので「オススメ度★★★★」で締めたいと思います。
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