「君の膵臓をたべたい」言葉に込められた真実とは・・・【感想・評価・レビュー】

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12年後に伝わる想い・・・そこには眩いほどに生きる彼女がいた。

ずっと気になっていたタイトル「君の膵臓をたべたい」を観てきたので感想・レビューをしていきたいと思います。

かなり高い評価を得ている作品なので前知識なしに観てみたのですが、純粋な想いが込められた作品で涙なしでは見終えることができませんでした。

自身の人生を変えてしまうほどの大切な人との出会いが誰にでも一度はあるのではないでしょうか?

記事を書く作品は3回は観るようにしているのですが、タイトルの「君の膵臓がたべたい」という言葉の意味をどう受け取るかによって評価が大きく分かれる作品だと思います。

これから書いていく内容は、感想・レビューと共に原作を知らない私がこの言葉の真意をどう受け取ったか?という内容を書いていきますので、もしかしたら共感していただけない人もいるかもしれません。

作品に入り込んで観ないと少しわかりにくい所もあったので、これから観る方に作品の良さが伝わるようにレビューを書いていきたいと思います。

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簡単なあらすじ紹介

主人公の志賀春樹は偶然1冊の「共病文庫」というタイトルの文庫本を拾った。それはクラスメイトの山内桜良が綴っていた秘密の日記で、難病と闘う姿がそこに記されていた。

家族以外の誰にも語られていなかった秘密を知ってしまった春樹は桜良の「死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことに。

正反対の性格を持つ二人が時間を共有していく中で次第に心を通わせ、憧れと共に特別な感情を抱ていく。

そんなある日、毎日を懸命に生きる桜良の人生は突然終わりを告げた。そして残された共病文庫には桜良が眩いまでに生きてきた日々が綴られていた。

それから時が経ち、母校の教師となっていた春樹は教え子と話すうちに桜良と過ごした日々を思い出していると教え子が落書きされた貸し出しカードを見つけた。

12年の時を超えて、春樹は桜良が伝えたかった本当の想いを知ることになる。

「君の膵臓をたべたい」予告

今作の見どころ紹介

誰にも伝えていなかった病

「共病文庫」と名付けられた闘病日記には、残された命を特別な扱いを受けることなく普通に生きたいと願った桜良が親友にすら明かしていない病気と闘う姿が記されていました。

まるで桜良の人生の一部が切り取られているかのようで、残りの人生を精一杯生きる前向きな明るさと誰にも言えない弱音の全てが共病文庫には綴られています。

家族以外には隠していた桜良の膵臓の病気は偶然春樹が共病文庫を拾ったことでバレてしまい、秘密を共有する関係になりました。

病気という事実を疑うほど元気いっぱいな姿は、このままの時間がいつまでも続いてくれるんじゃないかと期待させてしまうほどです。

この共病文庫の内容が明らかになった時にいつも元気でるい桜良が見せなかった辛い心の奥わかるようになって、裏でどのような感情を抱いていたかわかるようになっています。

この心理描写により人間の強さや弱さ、優しさや残酷さなどがわかりやすく表現されているので作中から感じ取っていただきたいと思います。

共病文庫から伝わるかけがえのないの日常

桜良は「死ぬまでにやりたいことリスト」の内容を実現するために春樹と多くの時間を共有していくのですが、「共病文庫」には毎日を精いっぱい生きた彼女の想いが綴られていました。

いつも笑顔でいる桜良が見えないところで抱いている死ぬことへの恐怖や悲しみなども記されていて、とても心を打たれる内容です。

入院などで少しづつ弱っていく彼女見ていく内に、現実味のなかった「死」というものが近づいてきていることに気付かされていきます。

そんな日常が突然終わりを告げ、彼女が残した共病文庫には毎日が特別な日のように生きた記録が残されていました。

当たり前に来ると思っている一日が自分の考え方や行動次第でかけがえのない一日だと教えてくれる作品です。

人と接する事で心を開いていく陰キャな主人公

図書委員で誰とも接触することなく学生生活を過ごしていた春樹が共病文庫を偶然拾った事で桜良と出会い、少しづつ心を寄せていく姿が見れました。

同級生から名前を呼ばれたこともなく、人間関係を「無駄な時間」や「人に好かれようが嫌われようが気にならない。」と思っている春樹が、咲良と出会ったことで成長していきます。

正直、序盤は理屈っぽくて情けない姿が多いのでイラっとする場面もありますが、咲良との出会いをきっかけに同級生たちと繋がっていって誰かと心を通わせることを望んでいく生き方に変わっていきます。

人を認める・認められる人間に。人を愛する・愛される人間に。生きてることを実感できるような桜良のようになりたいと思うようになり、その全ての意味を込めて「君の膵臓をたべたい」と表現してメールを送った場面は他人に初めて伝えられた自分の本音だったのではないでしょうか?

(終盤には拒んでいたクラスメイトからガムを受け取るシーンでも、少しずつクラスメイトに心を開いていく姿が見えて心温かくなりました。)

可愛すぎる山内咲良

クラス一の美少女で、いつも明るく振る舞って弱音を見せない山内桜良の可愛さは異常でした。

幼さを残しながらも、時折見せる大人びた表情はとても魅力的で、学生時代に一度は妄想してしまうような状況を作り出していきます。

そんなクラス一の美少女が行ってくるのは、お泊まり旅行・入浴中の彼女に「洗顔取って」と言われる・真実か挑戦かゲームでお姫様抱っこでベッドに行き一緒に寝る事・両親のいない日に家に呼ばれて「イケない事しよう」と言われるなど、意識せずにはいられないような行動をしてきます。

「死ぬまでにしたいことリスト」を実現しながらも、毎日を楽しく生きる桜良はとても魅力的で作中のいたるところに詰め込まれていますので、ぜひ見ていただきたいと思います。

残念だったところ・・・

感動作品が好きな人には見たことがあるようなシーンが続く。

悲しい結末を迎えるラブストーリーをよく観る方には見たことがあるような、きれいな描写が数多くある作品だと思います。

重病のヒロインが「残された命を精いっぱい生きる」という作品は多くあるのですが、特に新しいと感じる部分はないのでどこかで見たことのあるシーンが多く登場します。

一つの映画作品として観ているなら純粋に楽しめるのですが、映画が好きで悲しいラブストーリーが好きな方は少しマンネリ化してしまうかもしれません。

しかし、そういった方にこそ作品の真意を理解して2回目を観ていただき、多くの伏線を回収してこの作品の良さに気付いていただきたいと思います。

作品に入り込んで観ないと感動が伝わりにくい。

タイトルでヒロインが膵臓の病気を患っているという事はわかりやすいのですが、正直何も考えずに観ると伝わらない場面が多くあったと思います。

序盤に語られた「昔の人は自分の悪い部分があると他の生き物の同じ部分を食べると治ると信じられていた。」という内容が印象強い為に、タイトルを言葉の通りに受け取るとカニバリズムとしての意味を連想させてしまいます。

「人に食べてもらうと、魂がその人の中で生き続ける。」という言葉の方が重要で、愛とも少し違う感情・・・お互いが抱いた憧れとも言える気持ちを伝えるための特別な言葉として「君の膵臓をたべたい」という二人だけにわかる暗号のような言葉として使っていました。

春樹は桜良の良い所を伝えているときにタイトルの言葉を、桜良は伝えられなかった言葉を伝えるときにタイトルの言葉を使っていて、「君の膵臓をたべたい」という言葉の前にお互いが伝えたかった意味を説明してくれていますので作品の中で確認していただきたいと思います。

私の友人も「君の膵臓をたべたい」という言葉の意味が最後まで理解出来ずに入り込めなかったらしいので、もしかしたら同じような理由でつまらなかったと感じてしまう人もいるかもしれません。



まとめ・評価

この作品では一つの出会いが一人の人間の人生を鮮やかに色づかせ、かけがえのないものになっていく様子がしっかりと込めらた感動作品でした。

もし自分がこの年齢で治る見込みのない病気にかかってしまったとしたら、このように強く人生を楽しむことが出来るのでしょうか?

2人が出会えたことで、桜良は一生分の花を咲かせ、他人を受け入れなかった春樹の心に春をもたらしたお互いにとってかけがえのない存在だったと思います。

物語として楽しむ人にはありふれた作品と感じるでしょうが、咲良や春樹に感情移入出来たとしたら心に残る感動の作品になると思います。

終盤に春樹の学校の生徒が「また明日。」と同級生の女の子に伝えて「また明日ね。」っと返すシーンでも、春樹が女の子の気持ちがわかったのは桜良が心の中に生きていたからなのではないでしょうか?

本当に大切な人を失った経験がある人や、かけがえのない存在が身近にいる人にはこの作品の描きたかったものが伝わってくると思います。

私は大切な人を病気で亡くした経験があるので、元気にしか見えない彼女の大量の薬を見つけてショックを受けたシーンは心が痛くなりました。

最後の回想シーンでは咲良が生きたかった未来や残された大事な人への想い、伝えきれなかった気持ちが明かされていきます。

最後の「君の膵臓をたべたい」という桜良の言葉は「君の強さが欲しい。そして君の心の中でずっと生き続けたい・・・。」と伝えたかったと私は受け取りました。

あくまで原作を読んでない私の解釈なので間違いがあるかもしれません。(これを機に原作を読んでみようと思います。)

春の樹は色んな人と心を通わせることで大きく根を張って成長し続け、桜はそんな一季節を鮮やかにし、精一杯咲いて散った花びらのような物語でした。

最後に評価は伝わりにくいと感じる部分もあったですが、人と日常の素晴らしさや感動がしっかり詰め込まれていて、日本の言葉の美しさに気づかせてくれた作品だった「オススメ度★★★★」で締めたいと思います。(本作を見て感動できなかった方はこの記事の内容を知ってもう一度見ていただきたいです。)

学生時代の不器用な頃の恋愛を思い出し、人の優しさや大切さ、精一杯生きることの重要性を教えてくれる素晴らしい作品でした・・・。

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