365日、お前を見張ってる
2015年の韓国映画『あいつだ』をご紹介します!
実話をもとにして作られた作品で、主演はチュウォン。「製パン王キム・タック」で日本でも人気となりました。これまでの明るい役柄とは一変し、妹思いのワイルドな若者を演じています。
犯人役には名バイプレーヤーのユ・ヘジン。コミカルから卑劣な役まで何でもこなします。そして人の死を予知する能力を持つ女性に、期待の若手女優イ・ユヨン。影のある女性の雰囲気が表情からも溢れています。
薦度祭(チョンドジェ)という、死者の魂を慰めて霊界に引導するための韓国特有の儀式も見どころのひとつとなっています。
それでは最後までお付き合いください!
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『あいつだ』のあらすじ
両親を亡くし、仕事を掛け持ちして妹ウンジを養っている兄ジャンウ。2人は田舎の漁村で暮らしていました。
ある日、ウンジが姿を消し、3日後遺体となって発見されます。ウンジの魂を慰める救魂祭(きゅうこんさい)の最中、怪しい男を見かけたジャンウは追いかけますが逃げられてしまいます。
妹を殺した犯人を追うジャンウは、その男が犯人だと疑い足取りを追います。霊能力者イ・シウンの協力を得てたどり着いた、人望も厚い薬剤師のミンが犯人だと確信しますが…。
みどころ
妹を殺された兄
両親を亡くし、仕事を掛け持ちして妹ウンジを養っている兄ジャンウ。
そんなある日、妹を大学に行かせたいジャンウは、美容師になって自分の店を持ちたいと考えているウンジとケンカになり、「勉強しろ」と言ってウンジを家に閉じ込めて出かけてしまいます。
それ以来姿を消したウンジは、3日後に遺体となって帰ってきます。その後、ウンジの携帯から着信が入りますが無言で切れてしまいます。
携帯会社でウンジの携帯の現在地追跡を依頼しますが、店員の対応に苛立ち、そのまま店を後にします。そこで霊が見えると噂のイ・シウンを見かけ、ウンジの死について何か知っているのではと問い詰めますが…。
可愛がっていた妹が殺されたとなれば、犯人捜しに躍起になるのは当然のこと。でも誰も親身にはなってくれないというか、他人事で被害者遺族の気持ちは考えてくれませんでしたね。
妹を殺したのは…
ウンジの救魂祭(きゅうこんさい)で見かけた怪しい男。黒いダウンに帽子を目深にかぶり、足早に去っていきました。ジャンウが追いかけますが逃げられてしまいます。
警察から犯人逮捕を聞かされますが、それは洗濯工場で働く親戚で、ウンジにちょっかいを出してはいましたが、犯人ではないとジャンウは訴えます。
その後、調査している時に再び怪しい男を見かけ、また逃げられてしまい、ちょうど薬局のネオンがついたので入ったジャンウ。様子をうかがっていたジャンウはミンがその男だと確信します。
薬局でお客さんの相手をしていたミンがふいにした仕草。首をクイッと左側に振る、その特徴的なクセは、あの怪しい男もしていた仕草だったのです。
警察にも訴えますが、捜査妨害として逆に拘束され、ミンは釈放。しかし牢に繋がれているジャンウに、ミンは携帯の動画を見せます。その内容とは…?
警察やばくない?
モチーフとなったのは…
1999年韓国釜山(プサン)で、ある女子大生の救魂祭(きゅうこんさい)が行われました。救魂祭とは、韓国特有の民間信仰の葬儀「薦度祭(チョンドジェ)」の最後の儀式で、米を入れた真鍮(しんちゅう)製の器を赤い布でくくりつけて海に投げると、米は悪霊が食べ、器から死者の爪と髪が出てくるというもの。
赤い布が強く引っ張られて切れてしまい、器だけが海に流され、ある青年の前に…。被害者の父親はその青年が犯人だと確信し、粘り強く追跡したという実話をもとに作られたのがこの『あいつだ』という作品です。
こういった不思議な話はたくさんありますよね。痛ましい事件が起きないのが1番ですが、私たちが気付かないだけで訴えている被害者はいるのかもしれませんね。
残念なところ
オカルト要素は1つで良かった。人の死が見えるだけなら良かったのに、少女の霊がとりついて…実はその少女は犯人の妹で…みたいなのはいらなかった。
ウンジや女性が襲われるのは見てただけなのに、ジャンウの時だけ止めたのはよく意味がわからなかったです。兄の殺人を止めたかったというのは辻褄が合わないですもんね。
一瞬ホラーかと思いました。
主要人物(キャスト)
・ジャンウ(チュウォン)・・・主人公。両親を亡くし、妹を養うために仕事を掛け持ちしている。
・ウンジ(リュ・スヨン)・・・ジャンウの妹。高校生。美容師になって自分の店を持ちたいと考えている。
・ミン(ユ・ヘジン)・・・薬剤師。連続殺人犯。
・イ・シウン(イ・ユヨン)・・・人の死を見る能力を持つ。
感想・評価・レビュー
犯行の動機は「媚びを売る女性が嫌い」。そんなことで殺しちゃうの?引きずり回し、ボコボコに殴り、ズタズタに切り裂いて殺してしまうほどのことなの?
犯人役のユ・ヘジンはいい顔しますね。二面性のある役がハマってました。優しい笑顔と残忍な裏の顔。どの作品を見ても一度は見る顔ですもんね。主役を喰う「シーン・スティーラー(場面盗人)」だそうです。
どんなに賢く、人望が厚く、素晴らしい人だとしても、その本質はわからない。1番怖いのは生きてる人間だと言いますが、本当にその通りだと思います。
苦しむ被害者と被害者遺族を見てほくそ笑む犯人。牢に繋がれる遺族と、牢の外にいて見下ろす犯人。見ているだけでムカムカしました。警察バカヤロー!!!
復讐に駆り立てられた兄のリベンジスリラー『あいつだ』はオススメ度「★★★」
次の作品をお探しの方は、未解決事件をもとにした実話「あいつの声」へ!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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